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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「お待たせ!」

あたしの声にママは一瞬で表情を緩めたけど、絶対にさっきの顔は怒ってた。

振り返った青峰の顔はいつも通り優しくて、急いで階段を降りて門の外に出た。

「これでいいかな?」

「ありがとな」

「もし嫌がるようなら捨てちゃって大丈夫だから、あんまり無理させないであげて」

タオルを渡してからさっき引っかかれた腕をティッシュで押さえると、腕を青峰くんが腕に視線を落とした。

「あぁ。つか腕どうした?」

「あ、セルジオに猫パンチされて爪が引っかかっちゃったの」

「大丈夫か?」

「うん。でもこんなことされたの初めて。留守にしすぎたのかも」

「ちゃんと仲直りしろよ」

どんなに願っても時間は止まってくれない。
優しく笑って頭を撫でてくれる青峰くんとの時間の終わりがすぐそこまで近づいていて、上手く笑えない。



「そろそろ行くからもう家入れ」

「うん…」

「そんな顔すんなよ。帰りたくなくなる」

寂しい気持ちを隠せなくて顔にも出てしまった。
最後は笑ってバイバイしたい。

「ママも青峰さんにお礼したらすぐ入るから先に中に入ってセルジオと仲直りしなさい」

お見送りまでしたいのに……
ママの雰囲気が険しいままなことを多分青峰君も察してる。

「青峰くん、送ってくれてありがとう。おやすみなさい」

「おやすみ」


ノロノロと門を開けて、1歩を踏み出す前、一度振り返ったら手を上げてくれたから手を振り返してから家に入った。


すぐに自分の部屋に上がって窓から外を見ると、ママと青峰君は多分なにか話してる。
暗くて表情も見えないし、もちろん声も聞こえない。


少しの間話して青峰君がタクシーに乗り込むと、テールランプが点いて、あっという間にLAの街に消えていった。


何を話してたのか分からないけど、あたしを追い払ったくらいなんだからママはきっとなにも教えてはくれない。




リビングに降りて、寂しすぎて泣きそうになっていたらセルジオがこっちに来てザラザラの舌で指を舐めた。

さっきの事ごめんねってしてくれてるみたいだった。
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