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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


何とか今シーズンの試合を見たいと思ってタブレットとスマホを交互に見ていると、青峰君がポツリとつぶやいた。

「久しぶりに来たな…」

次の予定があればって思うあまり、せっかくの最後の時間なのに青峰君そっちのけになっていた。

「ずっとスマホ触っててごめんね…青峰君ロスに来たことあるの?」

「仕事忙しいか?」

「ううん。大丈夫」

「休暇はちゃんと休めよ。LAは2年前のクリスマスゲームで来た。その1回だけだけどな」

スマホもタブレットもしまって、今手の届くところにあるこの時間を楽しもうって決めた。

「こっちのクリスマスってすっごい派手でしょ。日本のクリスマスが慎ましやかで驚いちゃった」

「確かに。日本でもクリスマスって割と騒ぐけどこっちは比になんねぇくれぇ派手だな。みさきもクリスマスはなんかしてるか?」

「ここ最近は毎年仕事なの。さつきとか美緒みたいに彼氏がいるわけじゃないし、休みに一緒にいたい友達もあの二人くらいしかいないから。こっちにいたときは仕事の後BOSSとうちの家族と一緒にお食事とかしてた」

「ほんとお前って仕事漬けだな」

確かに、イベント関係は何も気にせず仕事を受けてる。
でも、美緒とさつきとは年が明けてからクリスマス兼忘年会兼新年会を毎年やってるから、時期はずれるけどイベント自体は結構楽しんでる。


道が混んでたからもっとかかると思ったのにタクシーの運転手さんが裏道を通ってくれたせいかいつもと同じくらいの時間で家が見えてきてしまって、門の前に人が立っていた。

「あ、ママだ」

「実家あれか?」

「うん」

「でけぇ家だな」

「この辺はみんなこれくらいだよ。何でも大きすぎるよね。隣が大我の実家だよ」

通り過ぎざまに見ると大我の車はないから、多分もうシカゴに戻っちゃったんだと思う。
少しは会えるかと思ったのにな……


車から降りて青峰君が降ろしてくれる荷物を受け取ってママに向き直ると、ギュッと強くハグしてくれた。

「おかえり」

「ただいま」

ママと離れると、ママはあたしの後ろに視線を移してて、その表情はいつもよりも少し険しい。

「あのね、今日送ってもらった青峰君」

「…あおみねって……あの?」

ママは驚いてるのか、本人を目の前にしてるのにまさかの呼び捨てだった。


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