第7章 近づく距離
ラウンジで軽く腹ごしらえしてて中学ん時の話が出て、俺の中で一番しんどかった時期が思い出された。
全中で相手チームにしちまったことは消えねぇ。
それでもそこで立ち止まってることはできねぇから時間はかかったかもしれねぇけど前に進めてる。
同じ過ちは繰り返さねぇ。
テツと火神に負けてからどんなに点差の開く試合でも絶対に手は抜かなかった。
対等にできるできないじゃなく、自分がどうしてバスケをやっていて、どうなりてぇのかだけを思ってプレイした。
話してる時の表情で、みさきが何か後悔してるんだってことは察しがついた。
そしてそれは、まだ口に出せる程自分の中で区切りを付けられてねぇんだってことも。
早く進んだ方がいいとは言っても、事と次第によっちゃ時間が必要なことだってある。
「区切りってのは、つけられるタイミングが来たって自分が思えた時がベストな時期だからな。無理に先に進もうとすればそれが負担になることもあるから焦る必要はねぇって俺は思ってる」
「青峰君って……大人みたい」
「大人だわ」
大人ってよく分かんねぇけど、年齢的には多分大人になる。
さっきは少しみさきの気持ちが沈んだように見えたけど、腹を満たしてラウンジを出る頃には、すっかりいつも通りに戻ってた。
昨日は俺の会食に付き合わせたし、今日はみさきのしてぇことをしたくて聞くと、帰ってきた答えはまさかの散歩。
買い物とかじゃねぇんだろうなとは思ってたけど、散歩は意外すぎた。
結局夕方までは部屋から出ずにダラダラゴロゴロして、紅茶飲んで、みさきがタブレットで見てるコスメを一緒に見て、部屋でストレッチしたり軽くトレーニングしたり。
みさきとの時間はものすげぇ早く過ぎちまう。
散歩に行けるくれぇ日が沈んで、出かける用意をしたみさきは俺のパーカーに太ももまで覆われてた。
デニムを履いてるからエロい感じはしねぇけどデニムがなきゃこれはヤベぇ……
何着てても可愛いけど全然サイズの合わねぇ俺の服を着てるのはなんかすげー可愛い。