第7章 近づく距離
「用意できたか?」
「うん」
「じゃあ行くか」
薄暗いけど顔を隠すためにあたしがプレゼントしたサングラスをしてくれていて嬉しくなって、外に出る前に自分もサングラスをすると大きな手が目の前に差し出された。
「危ねぇから手」
「あ、ありがとう…」
男の人と手を繋ぐなんて初めてですっごいドキドキするけど、口実があって、青峰君から差し出してくれた手を断る理由なんてない、
あたしの心拍が手まで伝わって青峰君に自分の気持ちがバレてるんじゃないかってハラハラしたけど、大きくて暖かい手に自分の手を握られると、今まで感じたことのないふわふわした気持ちになった。
恋人同士みたいに指を絡めたりはしないけど、しっかり握られた手から伝わる青峰君の体温があったかくて幸せで、話しながらゆっくり歩くお散歩は通り過ぎる景色すら色鮮やかに感じる。
秋のディスプレイが施されたフィフスアベニュー
木々が緑から黄色に変わり始めたセントラルパーク
「ザ・ロックの展望台行ったことあるか?」
「ないの。青峰君ある?」
「俺もねぇんだけど、夜景すげー綺麗に見えそうだし行くか?」
「行きたい!」
お散歩って言ったけど、タクシーを捕まえてザ・ロックまでドライブ。
日が暮れて暗くなった時間帯の展望台はそれなりに観光客も多かったけど、あたしたちもそれに紛れて一緒に夜景を楽しんだ。
ホテルからだってすごく綺麗だけど、展望台からみるそれは、今まで見たマンハッタンの夜景すべてを一気に見せてくれた。
「すっごいキラキラ。宝石みたい」
「すげーな。初めて見たわ」
「あたしもこんなにすごい夜景初めて見た」
綺麗すぎて目が離せなくなる。
一緒にすごせるのが幸せで、繋いでくれてる手が暖かくて、帰りたくなくなってしまう。
このままずっと一緒にいられたらいいのにな…