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最愛 【黒子のバスケ】

第3章 確信


side火神

俺は青峰みたいに日本に実家がねぇから帰国するといつもみさきのところに泊まる。

ホテルを取るからいいっつっても、みさきがそんなのもったいないとか言ってみさきのところに泊まることになる。

まぁ鍵ももらってて、みさきが居ようが居まいが自由に出入りできるし、俺が使うとわかってるものは必ず用意されていて、ホテルより快適だからありがたくもある。

しかもみさきはチビだけどベッドはどでかい

ガキの頃から一緒にいたから好きな女とはいえさすがに緊張したりはしねぇけど、男として見られていない現実を突きつけられてるようでフクザツではある


みさきが結婚式の写真を黄瀬と見ながら何か話していると、黄瀬が驚いたように真太郎って名前を口にした。


こりゃ、ヘマしたな

ちらっとみさきを見ると“助けて”の眼差し。

誰かになにか言われたときに用意していた言い訳を立て並べて、みさきを喋らせないように寝ろって言うとあっという間に寝始めた。

ホントしっかりしてんだか抜けてんだか分かんねぇ。
まぁ疲れもあるだろうな…

メイクが仕事でカバーだってうめぇはずなのにクマがはっきり見える

「にしても、あの緑間っちが女の子に名前で呼ばれてるなんて意外……」

「そうか?嫁さんにだって名前で呼ばれてんだろ」

これ以上突っ込まれるのはマズいと判断して、若干不自然ではあったけど話題を逸らした。


「お前のメイク、みさきがやってんだって?」

「専属って訳じゃないけどほとんどお願いしてる」

「うまいか?」

「めちゃくちゃうまい。女優さんとかからもスゲー人気あるっスよ」

黄瀬と話しているとみさきがもたれかかってきたから、今にも落ちそうな小せぇバックを取り上げて、酒のせいか少しむくんだ指から指輪を外して、自分のジャケットをみさきの膝に掛けた。

「なんか、火神っちって優しいっスね」

「はぁ?気持ちわりーこと言うな」

「俺、女のメイクさんほんと苦手で。絶対プライベート聞いてくるんス……」

モテ自慢か?

いや、ちげーな
マジで嫌がってる感じだわ


「でもみさきっちは全く聞いてこないどころか何もしゃべらなくて、初めて仲良くなった女のメイクさんなんスよ」

そりゃそうだ。みさきは男と親しくなることを避けてるんだから。

しかもみさきはメイクや美容やファッション以外に興味が薄い。
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