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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「この表紙って、そうか??」

「そう。若いでしょ?」

「若いけど…ほんとに泣いてるみてぇだな」

「それほんとに泣いてる。撮影がつらくて泣いてたらカメラマンがたまたま撮ってて、画像チェックで弾かなかったらしくてBOSSがそれでいくって言って……」

パラパラとページをめくってあたしのページで止めるから恥ずかしすぎてほんとにやめてほしい。

「髪の色、絶対ぇ今の方が似合ってる」

「なんかその時はブロンドが正義だと思ってたんだよね。あたしの学校はブロンドが多かったし、かわいい子はみんなブロンドだったから。でもその撮影の最中に髪色を戻したから後ろの方と表紙は黒いでしょ?」

「だな」

次のページはあたしの一番苦手だった写真。
トラウマとのオーバーラップで顔が強ばって、何度も取り直した。



「それの撮影が一番辛くて、それで泣いてた。100枚以上撮ってやっとOK出たけど上がったの見たら全然OKじゃなかった」


写真集としては厚めのその本のページを何度も捲って、最後のページになった。

「これすげぇいい顔してる」

最後にみんなで好きなようにメイクしてメイクブラシを持ってあたしが笑ってるのが大きく載ってるページだった。

「パットが決めたカットなの」

「これもう売ってねぇの?」

「10年前のだしチャリティーで出したのだからもう売ってないよ」

「なんだよ」

「え?欲しい?」

「あぁ。最後の顔すげぇいい」

「大我に言えばくれるかもよ」

「は?火神は知ってたのか?」

「うん。だって撮影ついてきてくれたりしたもん。あ、さつきに言っちゃダメだよ」

「言わねーよ。俺たちだけの秘密だ」



2回目を見ようとする青峰君から本を取り上げて、一緒にベッドに入ってギュってしてもらった。
あたしが内緒って言ったこと大体バレちゃうんだけどなんで?

あたしがここのところ甘やかされていい思いしてるから、見えない何かがあたしに意地悪してるんじゃないかと思えてくる。


「青峰くん」

「ん?」

「ご飯美味しかったね」

「俺はみさきがモデルってのに驚きすぎてほとんど味なんて分かんなかった」

あたしだってほんとは全然分からなかった。

「ごめんね。今度はあたしが御馳走するから」

「楽しみにしてるわ。もう寝ろ」

「おやすみなさい」

「おやすみ」
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