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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


みさきがモデルをしてたなんてにわかには信じられなくてそれから食った料理の味は全く覚えてねぇ。

今年一番の驚きと言っても過言じゃねぇな

CEO夫妻を見送って店内で車を待つ間も絶対に俺を見ようとしねぇで、明らかに縮こまってる。

「紅茶貰うか?」

「あ……はい……」

すんげぇ声ちいせぇし全然こっち見ねぇ。
あんまりにも俺を見ねぇようにして、すげぇ怖がってるように見えてこっちの方が不安になってくる。


ギャルソンが2人分の紅茶を置いて、無言のまま飲み切ると同時にホテルの車が到着した。

行く時より道が空いてて、スムーズに車が進むせいかみさきが落ち着きなくバッグを左に置いたり膝に乗せたりを繰り返して、所在なさげにネックレスとピアスを触って。


交差点を曲がってフィフスアベニューに入ると、ホテルが見えてきた。

「青峰君ご飯足りた?」

「足りた。みさき足りなかったか?」

そんなわけねぇのは分かってるけど、みさきの意味不明な質問がおかしくて、同じ質問を返した。

「おなかいっぱいです……」

ぎこちなさすぎのみさきと部屋に戻って、すぐに聞こうとしたけど、落ち着く時間がほしいって言われて、寝る用意を全部済ませてから聞くことにした。

バスタオルを掛けて背中を緩めたとき、背中に手が当たっちまって、みさきがビクッとして体をこわばらせたのが分かった。

マズった…
時間を惜しまずにコンシェルジュ呼びゃよかった。

けどここで止めてももう意味ねぇから、必要最低限だけ下げて部屋を出た。


「やべぇ…怖がらせたか…」



もう部屋から出てきてくれねぇんじゃねぇかと思ったけど取り越し苦労で、ガウンに着替えて髪も解いてリビングに戻ってきてくれた。

よかった…もっと慎重にいかねぇと、怖がらせたら終わりだ。
ここまで我慢してきたんだから、こんなところでヘマする訳にはいかねぇ。




誤魔化すなとは言ったけど、無理に聞き出すつもりはなかった。
どう考えても繋がらねぇけど緑間や火神が何か関係してるならみさきを追いつめかねねぇ。

「話せるなら聞きてぇんだけど、話したくねぇなら無理に話さなくていい」

「大丈夫だよ」

怯えた感じはもう少しもなくて、すっかり落ち着いたのかちょっと笑って深呼吸して話しを聞かせてくれた。
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