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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


親父と出かけてたら電話が鳴って、見るとおばさんからの着信だった。
何かあったのかと思って電話に出ると、みさきが迎えを断って友達と帰ってくることを心配してた。

みさきが怒ることはねぇだろうけど、相手が青峰ってことは言わずに、心配ないことを伝えて電話を切った

つーか、LAまで送ってくるって…飛行で6時間だぞ
そうまでして一緒にいたいのかよ

それに送られることを承諾したみさきにも驚いた
あいつは男に自分のことは一切教えない
黄瀬は不可抗力としても自宅を教えるなんて今までなかったしましてや実家だ
よく送ってもらうことにしたな…

俺が思う以上の早さで青峰とみさきが近づいてる
いっそ、さっさとくっついてくれた方が俺としてはありがたい。

みさきに対する踏ん切りもつくし、みさきを守ってくれる奴が青峰なら安心もできる

「泉ちゃんなんだって?」

「みさきのことだった」

「今日本じゃないのか?」

「NYに仕事で来て今日こっち戻ってくる」

「元気そうでよかった」

「あぁ」

NBAに入ったばっかりの頃、俺は試合をすっぽかしてアクティブから外された。
親父に怒られるかと思ったけど、理由を話したら「選手としては失格だけど息子としては誇りに思う」って怒ることはなかった。

帰宅したのは深夜で、すでにみさきの家の電気は消えていて、みさきが戻ったのかは分からなかったけど、おばさんから連絡がないのは無事に戻った証拠だと思った。


夜、親父と少し話をした。

「あれからなんか連絡あったか?」

「いや、ねぇから無事に帰ってきたんだろ」

「そうか。泉ちゃん何を心配してたんだ?」

「友達と一緒にこっちに戻るからって迎えを断ってきたけど大丈夫かって。まぁ友達ってのは青峰なんだけど。名前は出さねぇけど俺も知り合いだから大丈夫だって言っといた」

「そうか。また青峰君か」

「何笑ってんだよ?」

「バスケも競って女も取り合うなんて仲がいいな」

気付いてたのか…
まぁ俺がバスケ放っぽりだしてあいつに着いて行ったんだから分かるか

「バスケは相手になれてもみさきのことは完敗だな」

「ははは!あのイケメン相手じゃしょうがないさ」

クソ親父…笑うなよな
仮にも息子の失恋だぜ?慰めろよな

まぁ慰められても気持ち悪りぃけど



「いんだよ。青峰がいてくれりゃ俺も安心して次行ける」

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