• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side 泉

外に出て15分くらいするとタクシーが見えてうちの門の前に止まった。

すごく背の高い男の人が車から降りるみさきに手を貸して荷物を降ろしてる。

みさきの姿を確認して門を開けて駆け寄って娘が無事だったことに安堵していつもよりハグに力が籠った。

「ただいま」っていっていつも通りの軽いハグをする娘に一緒にいた男性を紹介された。

あおみねって…たいちゃんのブルズ加入の少し後、日本人選手がもう一人NBAに入ったことも知っていたし、よくゴシップで名前を聞いていたから知っていた。
むしろ、米国や日本で知らない人を見つける方が難しい

驚いて彼を呼び捨てにする私をとがめるような視線を向ける娘。

「初めまして。青峰大輝です」

はっきりと私の目を見て挨拶をしてくるから意外だった。ゴシップを見る限り彼はどんな時も傲慢で敬語なんて使わない人間だと思っていた。

私も自己紹介をすると、遅くなったと詫びられた。
スケジュール通りで遅くなってなどいないのにそう言ってくるから更に驚かされる。


娘が「タオルを取ってくる」と言って家の中に入ったのを確認して彼に確かめる。


「娘を送り届けてくれたことは感謝しています。でも、あなたほどの人が何の目的もなく娘に関わるとは思えないわ。何が目的なの?」

「目的はみさき自身です」

ふざけてるのかと思って怒りがこみ上げるけど彼は至極真面目な顔をしてる。

「ふざけないで。あなたがしょっちゅうゴシップに載ってることを知らないとでも思ってるの?あの子で遊んで傷つけるのはお願いだからやめて。もうあの子は一生分傷ついたの。だからお願いします。……あの子から手を引いて」

「申し訳ないけどそれは無理です。俺のゴシップを見てて信用がないのは自分自身行いのせいだから言い訳するつもりも誤魔化すつもりもない。…でもみさきだけは、誰かに言われたからって手を引くことはできない。本気で惚れてる」

彼はあたしの目をまっすぐ見て少しも逸らさない。

玄関を開けたみさきの声が聞こえてこの話をいったん切り上げるけど“まだ済んでないわよ”と目で牽制した。

みさきからタオルを受け取ってみさきの腕を気にするから何かと思ったらセルジオに引っかかれたみたいだった。

セルジオも男の匂いに警戒しているんだと思った。
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp