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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side 泉

みさきから迎えはいらないってメッセージがきて、今までこんなことは一度もなかったから本当に娘からのメッセージなのか不安がよぎる。

帰宅する当日も心配で飛行機の時間に合わせてもう一度確認のメッセージを入れるけどたいちゃんとも友達の人だから大丈夫だと言われて引き下がることにした。
それでももう口癖のように言っている“何かあったら連絡しなさい”だけは送らずにいられなかった。

娘の姿を自分で確認するまでは安心できなくてスマホをずっと持ち歩いていた。


あの時、私さえみさきと一緒に帰国していればあれは避けられた。私の中に残る大きすぎる後悔がみさきによく言われる“過保護”の原因だと自分でもわかっている。
それでも大切な一人娘をあんな目に合わせてしまったという事実が10年経った今でも私を過保護にさせる。

一日中落ち着かなくてセルジオが“座ってろよ”というような顔をするけどそんなこと構っていられなくてたいちゃんに連絡を入れた。

「はい」

「あ、たいちゃんごめんね。泉だけど」

「おばさん久しぶり」

「あのね…みさきが今日NYからこっちに戻るんだけど、なんか友達と一緒だって言うの。たいちゃんとも知り合いだから大丈夫って言うんだけど心当たりある?」

「あー知ってる」

「どんな人?」

「俺は信用できる奴だと思ってる。よく会うし、この間の結婚式でも一緒だった奴だから今回は心配ねぇかな」

たいちゃんがそういうならと電話を切ったけど不安はぬぐえなくて主人に連絡を入れた


「みさきが迎えいらないって、友達と帰ってくるみたいなの」

「それは確実にみさきの意思で言ってきてるのか?」

「たいちゃんの知り合いらしくってたいちゃんにも確認したら心当たりあるみたいで大丈夫だって…」

「大我が言うなら大丈夫だろ。でも念のためフライト以外で連絡が途絶えたらすぐに俺に連絡しろ」

「分かった」

主人との電話を切って少しだけ落ち着いて夕食の下準備に取り掛かった。
みさきが大好きなエビにしようって決めていた。


食事の下準備を終えて、みさきの部屋を整えると、そろそろ飛行機を降りる頃だと思ってメッセージを確認するとタクシーに乗ったとメッセージが来ていて安堵した。


空港からうちまでは30分ちょっと。
時間を待って外に出て待つことにした。
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