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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


二度寝して起きたらもう午後になってて焦る。

「青峰君!もう午後になっちゃった!起きなきゃ!」

「別に休みなんだからいいだろ。ゆっくりしようぜ」

「まぁそれもそっか。でも明日は帰る日だから今日しか色々できないよ?」

「なら、俺はいつでも来れるからみさきがしたいことしよーぜ」

「んー。散歩」

「少し暗くなったらじゃなきゃ行かれねぇけど行くか」

「うん!」


丁度アフタヌーンティーの時間だし用意して軽く何か食べようってことでラウンジに移動するとこの間の奥の席が空いててそこに通してもらえた。


スコーンとサンドイッチを食べてあたしはまた紅茶で青峰君は炭酸水

「お前これ食わねーの?」ってマカロンを指さす。

女の子は多分好きな人が多いけどあたしはなんか苦手。

「あ、その顔。苦手なんだろ?」

顔に出てたのか言い当てられちゃって恥ずかしい。

「うん…なんかダメなの…」

「紫原がいりゃ全部食ってくれるのにな(笑)」

「紫原さんってそんなにお菓子好きなの?」

「あいつの菓子の消費量はやべぇよ。馬並みだ」

びっくり。大きいからたくさん食べるとは思ってたけどそんなにお菓子が好きなんて…パティシエがぴったりの職業なんだ。にしても馬って…(笑)

「みんな中学が同じなんだよね?」

「あぁ。中学で一緒にバスケやって高校でバラけてって感じだな」

「みんなバラバラ?」

「中学で色々あったからな。さつきとテツがいなきゃあぁやって結婚式で集まったりすることもなかったかもな。まぁあとは火神か」

「そっか」

「そんな顔するなよ。今はもう全然何ともねぇから」

「昔の事思い出して後悔したり辛くなることない?」

「すっげぇ後悔してることもあるけど、俺は過去の経験が今の自分を作ってると思ってるから後悔じゃなく教訓にして、同じことは繰り返さねぇって決めてる」

“後悔じゃなく教訓にする”か。あたしもそうなれたらいいな…

「あたし結構後悔してウジウジするタイプだから羨ましい」

「後悔しても時間は戻んねぇだろ?どっちにしても進まなきゃいけねぇなら早く進んだ方が自分の為になるんじゃねぇの?」

「確かに。今すっごい説得力あった」

「今ってなんだよ」

ちょっと不満そうにしながらも優しく頭を撫でてくれた。


ホントこういう考え方って尊敬する。
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