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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side青峰

みさきがモデルをしてたなんてにわかには信じられなくてそれから食った料理の味は全く覚えてねぇ。

今年一番の驚きと言っても過言じゃねぇな

CEO夫妻を見送って店内で車を待つ間も絶対に俺を見ようとしねぇ。

「帰ったら聞くからごまかすなよ」というと怒られたガキ見てぇに小さく返事をしたけど全く俺を見ようとしねぇ


あんまりにも俺を見ねぇようにして、すっげぇ怖がってるように見えたから怒ってるとでも思ってんのかとこっちが不安になってくる。

「こっち向け」

「怒ってる?」

のろのろと嫌そうにこっちに体を向けるけど目線は合わせてこねぇ上にすっげぇ声がおびえた感じがする

「驚きはしたけど怒ってねぇよ」

そう言うと、やっとこっちを見たけど泣きそうな顔をしてる。
けど、泣きそうな顔ですら可愛いってなんだよ。


部屋に戻ってすぐに聞こうとしたら「落ち着かせて」っつーから先に風呂に入らせるために着替えを手伝った。

コンシェルジュを呼んでもよかったけどその時間も惜しくて、バスタオルを掛けて背中を緩めようとしたら上を外すときに背中に手が当たっちまって、みさきがビクッとして体をこわばらせたのが分かった。

マズった…

それでもここで止めたってもう意味ねぇからできるだけ優しく声をかけて必要最低限だけ下げて部屋を出た。


「やべぇ…怖がらせたか…」



もう部屋から出てきてくれねぇんじゃねぇかと思ったけど取り越し苦労でガウンに着替えて髪も解いてリビングに戻ってきた。

とりあえず風呂に入るように言って少し酒が入ってるから寝ないように言うと大人しく風呂に行ってくれた。


よかった…もっと慎重にいかねぇと、怖がらせたら終わりだ。
ここまで我慢してきたんだから、こんなところでヘマする訳にはいかねぇ。


思いのほか早く出たみさきと入れ違いで俺もシャワーを済ませてカウチで髪を乾かしてもらった。

「落ち着いたか?」

どっちかっつったら俺が落ち着きたかったんだけどな


レストランで“誤魔化すな”とは言ったけど無理に聞き出すつもりはなかった。
どう考えても繋がらねぇけど緑間や火神が何か関係してるならみさきを追いつめかねねぇ。

「話してもいいと思うなら聞きてぇ」

「うん。大丈夫」

車での怯えた感じはもう少しもなくて、ちょっと笑って深呼吸して話し始めた
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