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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


スパに迎えに行くとすっきりした顔して座ってるみさきが見えた。

俺に気づいて笑って手を振ってくれる。

「癒されたか?」

「うん。すっごい癒された。ありがとう」

大きく体を伸ばして、可愛い顔して笑うから俺が癒された。



部屋に戻ってロッキングチェアに座って揺れてるみさきの髪をいじってたらいつもと違う甘めの匂いがして、それを言ったら苦手か聞かれた。
すげぇいい匂いだったけどなんか照れくさくて曖昧にしか答えなかったせいか少し眉を下げてる。


やっぱちゃんと言わなきゃ分かんねぇか…


椅子に深く腰掛けてたせいで立ち上がれないみさきを引っ張ってそのまま抱きしめて、ばれないように軽く匂いを吸い込んだ

どさくさに紛れてこんなことすんのは変態だって分かってるけど、マジでいい匂い


「すげぇいい匂い。……好きだ」

「あたしもこの香り好き」

俺の“好き”は香りのことだけじゃねぇんだけどな…みさきには分かんねぇよな。


食事を済ませて、酒が飲みたいって言うみさきとラウンジに行くことにした。

割と混んでて奥の席は空いてなくて真ん中に通されたせいで俺に気づく奴がいて、ゆっくりできそうもねぇしみさきを見ると下を向いてる。
バトラーに席を移動したいことを伝えると何も悪くねぇのに謝られた。

周りがどう思ってるかなんて知らねぇし関係ねぇけど、俺がこいつを好きで一緒にいることを分からせたくて腰に手を回したまま窓側にみさきを座らせて人目を遮るようにみさきの方に向いて座った

小さい声で話すのをいいことに顔を近づける。
多分傍から見たらキスしてるように見えなくもねぇけど、別にここは撮られたりしねぇし俺が惚れてるってことを周りに分からせるにはいいと思った。


ポートワインなんてアルコール度数が高いのにいつもよりハイペースで飲んで、たまに泣きそうな顔をするからすげぇ心配になって、考える事をやめさせたくて、寒い訳ねぇけど寒くないか聞いたらいつもの顔に戻った。


こんな華奢な体でどんな重荷を背負ってるのかと思うと、柄にもなく俺まで泣きたくなった。
変わってやることなんてできっこねぇけど、できることなら少しでも軽くしてやりたい。


「お部屋に戻りたい」

2杯目を飲み切ってトロンとした目で言われて、一気に心拍数が上がった

なんか誘われてるみてぇだな…
そんな気全くねぇだろうけど
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