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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


オーダーしたものが届けられて、明日のことを話しながら食事に手をつけた。

「明日場所どこなの?」

「ジャン・ジョルジュっつってた」

「……それ同伴ほんとにあたしで大丈夫?」

CEOっていつもそんなところでご飯食べてるの⁉
粗相しないように大人しくしてよ。


「ただの食事だから大丈夫だ。18時からだから17時前に出てちょっと遠回りしてゆっくり行こうぜ」

「そうしてくれたらありがたい。緊張する」

ジャン・ジョルジュってだけでも背筋が伸びちゃうのに、会食のお相手は青峰君のスポンサー企業。
明日は緊張して味なんてほとんど分かんないだろうから、今日はいつもより味わってゆっくり食べた。





食事を終えてカウチで休んでる青峰君をラウンジに誘おうと声をかけた。

「あの、ちょっとお酒飲みたいんだけど…」

「じゃぁラウンジ行くか?今ちょうどカクテルタイムだろ」

「いいの?」

「用意してくるからちょっと待ってろ」

あたしが言おうとしてることが分かってるかのように青峰君から言われてびっくりした。

あたしもデニムからこの間とは別のワンピースに着替えて、出る用意を整えた。
せっかくトリートメントでさらさらにしてもらったから今日は髪はそのままで行く。


「行けるか?」

声をかけられて青峰君を見たらジャケットを着ててすっごいかっこいい。

「あ、いけます」





ラウンジはそれなりに人がいて青峰君に気づいた人もいてあたしを見て“えっ?”って顔してる人もいた。

もう、その視線やめて…釣り合ってないなんて分かってるからもうあたしを見るのはやめて……


青峰君がバトラーを呼んでお酒を頼んでから『奥の席が空いたらそっちに移りたい』って伝えてくれたからちょっとホッとした。

「ごめんね」

「お前が謝ることじゃねぇよ。奥の席なら人に邪魔されずに夜景が見えるから俺が移りてぇだけ」

ほんとに優しい。


運よく奥のコーナーソファがすぐに空いてお酒をもらう前に移動できた。

この席は向き合って座る席じゃなくて隣に座る席だからただでさえ距離が近くてドキドキするのに青峰君がずっと腰に手を回してくれてるからもうお酒の味なんて分かんない。

周りの目からあたしを守るように少しこっちに体を向けて、いつもよりすっごく近くて

こんなに接近するならちゃんとメイク直せばよかった。


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