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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


部屋に入ると日が沈み始めて夕日が差し込んでる。

「綺麗…」

毎日忙しくてゆっくり景色を眺める時間なんてなかった。仕事をしてる時だけが自分を肯定できたからこんなにゆっくり休みを取るなんて久しぶりだった。


スマホを確認すると真太郎から返信がきてた

(分かったのだよ。玲子も俺も12日は非番だから11日の夜でどうだ?うちで食事をしながら話そう)

(うん、じゃあお邪魔させていただきます。ケーキ買ってくね)

真太郎も玲子先生も忙しいからもっと先になっちゃうかなって思ってたけど案外早く会えそう。


スマホを置いた後も、夕日がすごく綺麗で目が離せなくて、窓にくっついて日が沈むのを眺めてた。

「こっち座って見ればいいだろ」

「うん」




窓際のロッキングチェアで揺れながら窓の外を見るあたしの髪を青峰君がサラサラ指に通して遊んでる。

「なんかいつもと違うな」

「ん?そうかな?」

「いつもと違う匂いがする」

「スパでちょっとつけてもらっちゃった。苦手?」

「いや…」

目そらすってことは、もしかしてほんとは苦手だったのかな?

後でシャワーで流そうかな。



「ちょっと早いけど飯にしねぇ?腹減った」

「うん。そうしよ」

深く腰掛けてたせいですぐに立ち上がれないあたしの手を引っ張って立ち上がらせてくれてそのままぎゅっとしてくれた




「すげぇいい匂い。……好きだ」

あたしに好きって言われたんじゃなくて香りのことなのにすっごくドキドキする。
魔法が効いてるのかな?って思っちゃった。


「よかった。あたしもこの香り好き」

「帰りに買ってくか?」

「付ける機会が少ないからちょっと考え中なの」

「そうか。何食う?」

話題を食事に戻されて一緒にメニューを見はじめた。


「お寿司とか和食とか食べたい」

「俺も和食がいい。食えないもんあるか?」

「この間言ったの以外は大丈夫」

「じゃぁ向こうに任せるか?」

「あ、そうする。おすすめのネタとかがいい」

青峰君がルームサービスに連絡しておすすめでお寿司とお料理を運んでもらうことにした。




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