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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


初めて触る髪は思ったよりも柔らかかった。

「食事に行くとき髪どうする?あたしでよければセットするよ」

「じゃぁ頼む」

「希望とかある?」

「いや、ねぇな。フォーマルだからそれに合ってりゃいい」 

「承知しました」

「頼むな」



髪を乾かし終わると青峰君もガウンの下にルームウエアを着てくれてあたしの心臓も少し治まったから、寝る準備を整えて少しだけカウチでごろごろしながらテレビを見てたのに知らないうちにウトウトしてて青峰君に起こされた。
「もうベッド行くぞ」

「ん…もうちょっとここにいたい」

「ダメだ。風邪ひく」


のろのろ起き上がると、立ち上がるのに手を貸してくれて、その手に自分の手を重ねると、そのままあたしの手を引いて寝室に入った

あたしがお昼寝で使ったベッドじゃない方に青峰君が座ってあたしが立ったままいたらサイドボードの電気を付けてぼんやりと青峰君の顔が見える


優しく手首を握ってあたしの目をまっすぐ見て
いつもは見上げる顔に見上げられて不思議な気分になった


「絶対ぇ何もしねぇって約束する」





優しくそう言われてあたしも青峰君と同じベッドに入った

ベッドのバックボードに背中を預けて二人で座って、お互いに少しの間沈黙してた




「黒須…」

「はい」

「みさき」

「…え?」
前に一度だけ“みさきちゃん”って呼ばれたことはあったけどあれは茶化してる感じだった

でも今はそういう感じじゃなくて、一瞬反応できなかった

「名前…呼んだら嫌か?」

「え、全然…嫌じゃない…デス」

「じゃ、そうするわ。寝よーぜ」

そう言ってそっと腰を引き寄せて昨日と同じように抱きしめてくれて、その腕が解かれる気配はない


「この体勢じゃ疲れちゃうよ」

「……」

もう寝てるのか返事がなかったからあたしももう喋らずに温かくて硬い胸に頭を預けて目を閉じた

しばらくドキドキしてて眠れなかったけど青峰君の呼吸を聞いてたら眠くなってきて知らないうちに眠ってた。

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