第7章 近づく距離
ホテルに戻って自分の荷物を片付けてまたカウチに戻って寝っ転がった
「お前そこホント好きだな」
もう昨日からほぼカウチで過ごすあたしを見て青峰君が笑ってる
「だってこんな大きなカウチ初めてなんだもん。最高。もうずっとここでごろごろしてたい」
「寝るときはベッド行けよ」
「うん。青峰君もここで寝ちゃダメだよ。今日はちゃんとベッドで寝てね」
「お前が添い寝してくれんならベッドで寝るかな」
まさかの言葉にびっくりして青峰くんを見ると、いつもの意地悪するときのかおしてる
からかわれてるって分かるのに顔が赤くなるのが抑えられなくて座って顔を隠したのにすぐ近くに座られて角に追いつめられた
「こっち向け」
「やだ…」
「向けって」
そう言って顎に手を添えられて青峰君の方を向かされた
「昨日だって一緒に寝ただろ」
「あれは…青峰君が寝ぼけてたんだもん」
「お前と一緒だとすげぇ暖かくてよく寝れるんだけど?」
またそうやってからかうんだから…
「えー嘘……人と寝るの嫌いなくせに」
意地悪な顔をしてる青峰君をちょっとだけ睨んで、可愛げない反論をした。
そうすれば、“冗談だって”って笑って言われると思のに……
「それとこれとは別だ。…絶対手出さねぇから」
どう別なのか全然分からない
だけど、そんなに真剣な目で言われたら断る理由も見つからない
だって実際あたしは青峰君に抱きしめられて寝るのが嫌じゃないんだもん
一緒にお風呂とかは絶対絶対無理だけどギュってしてもらうのはすごく好き
「…約束だよ。怖いこと……しないで」
「分かってる。絶対ぇ何もしねぇから」
そっと抱きしめられて優しい声で言われると、どうしてか分からないけど信じられる
「…なら一緒に寝る」
恥ずかしすぎて死にそう…
青峰君人と寝ないなんて嘘じゃん
BOSSにガセネタ掴まされた!
「よし。決まりな」
そう言ってやっと解放されたけど、なんかご機嫌に見える気がする。
あたしって湯たんぽか何かだと思われてるの??