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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


ハンドルを握る青峰君がかっこよくてついつい見ちゃう。

「何見てんだよ」

「えっ…見てないよっ!」

やだっ…バレた…
すっごく恥ずかしい

「はいはい」

慌てて視線を戻すと大きくて温かい手がポンポンと頭を撫でてくれてそれが心地いい

助手席なんていつ振りだろ
いつもほとんど自分で運転するし、出かけるときも大体あたしが運転。

彼氏なんていたことないから男の人の横に乗るなんてパパか大我くらいだった

NYのメインストリートを抜けて少し静かなところまで来るともう外はすっかり暗くなってた

これだけ暗ければ人目も気にならないからお散歩したいな…





「少し歩くか?」

「うん!」

まるで心の声が聞こえていたかのようなタイミングで言われて一緒に車を降りると結構寒い。


咄嗟に二の腕を擦ると青峰君が上着をかけてくれた

「これ着てろ」


「え…でも青峰君寒いでしょ?」

「そんな寒くねーよ」

「じゃあ…お借りします」

青峰君と同じ匂いがして抱きしめられてるみたいで顔が赤くなる
でも暗いから見られても全然平気。
熱を持った顔に冷たい空気が気持ちいい。

あたしの歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれてる

「この辺は街灯がなくて星も見えるね」

「そうだな」

時々空を見上げるとキラキラと星が輝いている

「あたし星とかすごい好き。前に写真で軽井沢の星を見たんだけどね、すっごい綺麗でそのうち見に行きたいなって思ってるの」

「じゃあ一緒に行くか?」

「え?青峰君アメリカじゃん」

「帰国した時だよ」

「青峰君がいいなら行きたい…かな」

行きたい

好きな人とあの星を見れるならそれ以上の贅沢は無いような気がする


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