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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「はい、おしまい」

「すっげぇ気持ちよかった」

あたしが立ち上がると、青峰君も立ち上がってすぐにぎゅっとハグしてくれた




「少しマシになった?」

「すげー軽くなった」

「よかった」

「こういうのも仕事で覚えんの?」

「BOSSがそういう方針だったの。だから骨とか筋肉とか筋とかの通り方の基本を法人類学者の先生に教わって効率的にむくみとか筋肉の張りを軽減できるように教えてもらったの。でも人それぞれ筋肉も筋も違うから触らせてもらわないとやっぱり分からないんだけどね」


メイクはあくまでも上物で、それを引き立たせるのは土台であるそれぞれの骨格や肉付きだってことをBOSSは常に言ってる。

上物を施す前に土台をしっかりと整えておくことでその素材を何十倍も魅力的に見せることができる。
だからあたしはメイクの前は必ずマッサージからさせてもらうことにしてる

「黄瀬にもすんのか?」

「うん。なくてもいい時はしないけど、大体はしてる。最初はあたしが無意味にベタベタ触るって思ってたのかすっごい嫌そうな顔してた」

「自意識過剰だって言ってやれ(笑)」

クライアントにそんなこと言えないって分かってるのに、冗談を言って笑わせてくれる


青峰君と話してるとホントに楽しい。
ドキドキするのに安心する。

あたし…青峰君のことがほんとにほんとに好き。

知合ってまだ2か月なのに…
一緒にいたらどんどん好きになるなんて分かってたのに、それでも一緒にいたくて、好きになればなるほどつらくなるのは自分なのに、好きでいることをやめられない


そんなことを考えながら青峰君と話をしていると、スマホが震えてメッセージを受信した


そういえば……
さつきたちにメッセージ返してないから返さなきゃ。

そしてプライベートのスマホを開くと信じられない量の未読メッセージが溜まってる。


「え⁉なにこれ…」

「どうした?」

「いや、未読200件って初めて見たから驚いた」

アプリを開いたら191件がさつきと美緒で、あとはママと公式アカウントから。

「ちょっとこのメッセージに目通してもいいかな?」

「あぁ。お前溜めすぎ」



笑ってソファから立ち上がった青峰君が大きく伸びて頭をぽんぽんってしてくれた。

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