第7章 近づく距離

首に触ったらピクッとしたから痛かったのかと思って慌てて手を放した


「ごめん。痛かった？」

「いや、痛くねぇから大丈夫だ」

痛くしたんじゃないことに安堵して、首と肩と背中をマッサージして二の腕を強めに下に向かってさする

「すげぇ気持ちいい」

そう言って少し笑って目を閉じてくれるからマッサージしてよかった。

背筋がこんな感じなら、胸筋も少し張ってるはずなんだけど、許可もなくそこまで触るのはさすがに躊躇する。

「あの……多分胸筋も少し疲れてると思うんだけど、マッサージする？」

「お前がいいなら」

「じゃあ仰向けで寝転がってもらってもいいかな?」

「ん」


短く返事をした青峰君がグルリと寝返りをして、体の向きを変えてくれたから、肩の横に座って鎖骨の下を少しづつ押していく。

肋骨は折れやすいから体重をかけすぎないようにそっと力をかけた


やっぱり張ってる。

今日は絶対広いベッドでゆっくり寝てもらわなきゃ


ソファで寝たことと、あたしをハグしてたせいで緊張してしまった筋肉と筋を、ゆっくり優しめに、いつもよりも時間をかけてほぐした