第7章 近づく距離
「確かに俺は今まで付き合ってきた女と朝まで過ごしたことはねぇ。別に適当に付き合ってたって訳じゃねぇけど、抱いた後まで一緒にいてぇと思えなかった…だから俺が帰るか女を帰らせるかどっちかだった」
そうだったんだ…
こういう恋愛系の事って根も葉もないって場合もあるけど本人がそういうなら本当だったって事だし、青峰君はあたしの目をまっすぐに見てたから嘘だってことはなさそう
やっぱり青峰君は一人じゃないと寝れないって事?
「あの…あたしがいたら邪魔じゃない?」
「こないだも言ったけど全然邪魔じゃねぇし、お前さえ嫌じゃなきゃ俺が帰るまでこっちの部屋来いよ」
「じゃあ…もし帰ってほしくなったら絶対我慢しないで。
帰ってほしかったらちゃんと言ってくれるなら…」
「分かった。けど帰ってほしいなんて思わねぇよ」
「じゃあ…お邪魔させてください」
優しく笑って頭をぽんぽんって撫でてくれるからついついあたしも勢いに任せて頷いてしまった。
恋愛対象じゃないと一緒にいても大丈夫って事?
それはそれであたし的には悲しいけど…
でも一緒にいられるならせっかくだし楽しく過ごしたい。
「フィフスアベニューの夜景が見下ろせるから夕飯は部屋にするか?」
「うん!じゃあ準備するからちょっとだけ待ってもらっていい?」
「あぁ」
さっきまであれ程迷ってたのにゲンキンなあたしはフィフスアベニューの夜景って聞いた瞬間に心が躍った。
キャリーから必要な荷物をまとめて移動用のバックに移そうとしたときバッグが倒れて中からバサバサとデッサンが落ちた
「なんだこれ?……すげーの描くな」
タイミング悪すぎる
また青峰君に変態だと思われてしまう
とにかく説明させてもらわなきゃ