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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side火神


『あの子お気に入りの俳優でプロモーションを企画して近づいて、恋愛関係に持ち込みたがるのよ。邪魔がいれば遠慮なく排除にかかる。今回そのお邪魔虫はミサキよ。あなたが連れてきて、あなたと親しげに日本語でコミュニケーションを取るミサキはお邪魔虫でしかないの。絶対に目を離しちゃダメ。ジェシカはミサキをメイクとして見てない。あなたと自分を邪魔する存在だと思ってるのよ』

『排除って…』

『ジェシカのお気に入りの俳優と仲良く話してた子がいきなり現場から外されて書庫整理に移動させられたこともあるわ。ミサキは社内の人間じゃないからそれはできないけど何とか排除しようとしてくるに違いない。とにかく平気で仕事も奪うし、襲うことだってあるかもしれないわ。ミサキなんてあんな小柄じゃ抵抗したってたかが知れてる。あたしもミサキには気を配るけど一人じゃ無理よ。あなたがしっかり守ってあげて』

早口の小声で教えてくれたハンナは周囲を警戒してるのか、常に周りを見渡しては、資料で口元を隠してた

それでみさきを外すのに躍起になってたって訳か

けど襲うって……嘘だろ…

もし万が一そんなことになれば…



『じゃ、明日はそういう感じで撮影するから準備よろしくね』


今言われたことを混乱しながらもなんとか整理しようとする俺をその場に残してハンナは立ち去ったけど、あれがウソだったようには思えねぇ。

しかも嘘ならそれでいい。


とにかくみさきを守らねぇとやべぇ

こんなとこでぼさっとしてる場合じゃねぇ




『今すぐ話がある』

『なんだ?もう少しで終わるから…』

『ダメだ。こっちが最優先だ』


打ち合わせ途中のエージェントを相手から引き離してさっきハンナに言われたことを説明した。


誰が味方で誰が敵なのか分からねぇ今信用できるのはエージェントとセキュリティだけだ。


『セキュリティは3人ともNYに戻るまでつける。俺のフライトもシカゴはキャンセルしてNYで取り直して、みさきと隣に座れる便を抑えてくれ』

『いいだろう』
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