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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side火神


みさきを迎えに空港の中まで迎えに入るっつったらセキュリティが付けられたけど、マイアミは治安がいいとはいえねぇし年中人だらけだから仕方ねぇ。


みさきの乗った飛行機が予定通り着陸したことがセキュリティから伝えられて、空港に入るとすぐにバレて集まってくる人をセキュリティが牽制してくれたのは助かった。


『お、いた』

『どちらでしょうか?』

『奥に立ってる小柄なあのサングラスの…』


無事に合流できたけど、セキュリティがいなきゃ大騒ぎになっちまってたからつけてもらっておいて正解だった。


とにかく時間のねぇ現場で、車内でも仕事の話を進めたけど、俺の断れなかった理由と、その娘本人が現場にいるってことで仕事で嫌な顔なんてしねぇみさきが明らかに苦笑いを浮かべた。


俺としてもファンだからって理由で呼ばれんのはちょっと微妙だった。

仕事をもらえんのはありがてぇけど、変な私情が絡むと仕事がやりずれぇってのはパットやみさきから聞いて知ってた

断っても強引な交渉相手だったこともあって、不安でしかなかったから、適度な距離感でビジネスライクに仕事をこなしてぇって思ってたけど不安は的中した。


俺の部屋での打ち合わせを言い出された時点で相手が公私混同してんじゃねぇかってのは気付いてた。


だけど俺はみさきを雇った訳で、この仕事を受けた責任として仕事だけはちゃんとやりたかったし揉めたりもしたくなかった。


必要がありゃ打ち合わせはするけど、俺は仕事を受けただけで個人的に会うことはねぇってことをこれで分かってほしかった。


だから敢えて他の部屋で他の打ち合わせの時にってことを提案した。


しかも俺の部屋は用意させたんじゃなくてこっちで個人的に取った部屋だったから、親しくねぇ人間を入れんのは嫌だった。



打ち合わせで初めてジェシカと顔を合わせて、とてもじゃねぇけど仲良くなれるタイプとは思えなかった。


みさきを蔑むような目も仕事の質問にすらろくに答えねぇところも、俺は好意は持てなかった。


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