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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


ホテルに到着して色合わせのためにビーチに出たかったけどあまりの人の多さに断念して部屋でやらせてもらうことにした



「ここで脱いでくれる?」

「あぁ」

一番大きい窓のカーテンを開けてなるべく自然光で色を見て合わせて…

大我の上半身は見慣れてるけど、いつもはただ視界に入ってるだけでメイクのための観察はしたりしない


「OKだよ。服着て」

「あっさりだな」

「色合わせただけだから」

色合わせはすぐに終わるけどどんな感じで作りたいのか担当者にイメージを確認したくてエージェントに言って連絡を取ってもらった

『この部屋で打ち合わせしたいそうだ』

『この部屋に呼ぶのは辞めてくれ』

『あたしもいるのに?…ダメ?』

『嫌だ』

まぁ好意を持たれてるって分かってたら嫌だよね…
大我は優しいけど思わせぶりなことはしないし態度もはっきりしてる

『分かった。タイガがそういうなら仕方ないな。別の開いてる部屋を借りよう』

部屋は空きがあってすぐに用意できたようでさっき機内で書いたデッサンをもって大我と移動した

「青峰君が言ってた大我がモテモテって言うのあながち嘘でもないんじゃん」

「は?お前いつから“青峰君”なんて呼んでんだよ」

え…突っ込むのそこなんだ(笑)

「NYに着いた日に迎えに来てもらってなんかそこから?」

「あいつわざわざNYまでお前のこと迎えに行ったのか?」

「多分そこでタキシード受け取ろうと思ってたと思うの。だけどロスバゲで結局二度手間になっちゃって15日にまた来てくれるって」

「マジかよ…」


マジなの…
ロスバゲさえしなければ渡せたのにって思ったけどロスバゲしたからまた会えるのかもって思ったら今回はロスバゲのお陰で青峰君との時間が増えたんだって思って一瞬ラッキーなのかもなんて考えてしまった


青峰君に手間かけさせてるくせに会えて嬉しいなんてあたしの頭は本当におめでたいお花畑


だけど…


一緒に行かれたお買い物だって、2回目に会えるのだってロスバゲがなかったらきっとなかったことだもん

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