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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


明日に備えてまっすぐホテルに帰るとキャリーが届いてるってことを教えてくれた




部屋でキャリーを開けて真っ先に確認したのはタキシード

やっぱり、皴になってる…


『タキシードのシワを直してほしいんだけど…』

『お部屋に拝見しに伺ってよろしいでしょうか?』

『お願い』


すぐさま連絡をしたクリーニングは1分と置かず部屋に来てくれた


『これなんですけど』

『大丈夫ですよ。綺麗に戻ります』

『あの、これ本当に大切な物なの。だから本当に大切に扱ってほしいの。お願いできる?』

『もちろんです』


あのタキシードを見ると結婚式でのことが鮮明に思い出せた


声も
腰に回された手の感覚も
倒れこんだ胸板も
初めて目が合った時も
そのあと交わした会話も


全てが大切な思い出で、あのタキシードを着てる青峰君をまた見たかった



明日からもハードな日が続くけど仕事がひと段落すれば青峰君に会える。


そう思うだけで少しだけ疲れが軽くなる。

体が資本だろって言われたのを思い出して食事をとるために外に出て歩きながらレストランを探した


今日は9月にしては暖かくてテラス席で食事を取れるお店を選んだ


楽しそうに食事をするカップルが少し羨ましくて、青峰君と一緒ならきっともっと楽しい夕食になったのかななんて考えた。




恋って、こんなに相手のことを考えるものなんだね





そんな事、今まで少しも知らなかった。
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