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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side火神

シカゴに戻ってオフを満喫する俺に全く嬉しくねぇ電話が来た

『この間の広告の件断れそうにない』

『はぁ…分かった。受けるわ。
でもメイクはこっちで用意するのが条件って伝えてくれ』

交渉上手な俺のメディア関係のエージェントが断れねぇってことはきっと誰がやっても無理

だけど条件くらいは通させてもらう

『なんかツテでもあるのか?』

『幼馴染が今NYにいてそいつがパットの弟子だから』

『パットの弟子なら文句ないな。伝えよう。ただし撮影の日程はずらせない』

業界の裏方やっててパトリックを知らねぇ人間はいない。
メイク界の重鎮だけどメイクと業界は切っても切り離せねぇからパットと言えばメイクのパットってのはもはや常識

『いつだ?』

『14日。マイアミだ』


了承して電話を切ってから速攻でみさきに連絡を入れた

電話してもよかったけど仕事中なら悪いと思ってメッセージにしたけどやっぱ電話で返ってきた。


14日の撮影をOKしてもらってエージェントと細かい打ち合わせのために仕事用の連絡先を教えた

『あいつはアメリカにいたから特段の心配はねーけど空港に迎えに行くスケジュールで組んでくれ』

『分かった』


マイアミであいつを一人にさせたくねぇ

あんな小柄な女じゃ男には絶対敵わない
何かあってからじゃ遅せぇから先に予防策を打っておく

みさきは俺のことを心配症だとか過保護だとか言うけど、もうあんな辛そうな姿を見るのはまっぴらだった


毎日みさきと一緒に学校に行ってればあんなことは起きなかった。
あの日、みさきと一緒に帰ってればあんなことは起きなかった。

好きだからって以上に未だに俺の中に残り続ける強い後悔がそうさせる。


まぁ青峰がいりゃ俺もそのうちお役御免だけど


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