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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


モデルさんのあまりの剣幕に泣き出す人もいるというのは聞いていたから驚きはしなかった


『他の担当は?』

『…いません』

慰めてあげたいのは山々だけど今ここでもたついてる訳にはいかないしこういうことは自分で乗り切らないと意味がない


私だって現場で泣いたこともあるけどBOSSに“泣いて何になるの⁉”って更に怒られた。


初日のショーの出来は今後にかかわってくるから絶対に失敗できない

セレブが来てプレスが取り上げてくれるからこそ宣伝になる

内容がつまらなくてそれが口コミで広がると招待していてもセレブは来てはくれない



幸い今回の初日は大盛り上がりで十分成功といえるものになった




『あなた、メイク始めて何年?』

『わたしですか?弟子に入ってから10年です』


バックステージで声をかけてくれたのはあの高そうな時計をしてたブランド担当者

『そう。10年でそこまでになるなんて…』


初めて顔を合わせた時より彼女の雰囲気が優しいと感じたのはきっと初日を成功させられたから


言葉の途中で呼ばれてしまって最後までは聞けなかったけどきっと褒めてもらえたんだと思う


行ってしまう間際に早口だったけど『明日もお願いね』って言ってくれたから

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