• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第2章 直感


「お怪我はありませんか!?」

「お召し物は大丈夫でしょうか!?」


スタッフが一斉に集まってきて代わる代わる聞かれて、あっという間に別室に連れていかれたけど今はそれどろこじゃない。


「大丈夫です。本当になんともないんです。」



仕事柄たくさんの衣装を目にするから、彼が着ていたタキシードが繊細な手入れを必要とするものだと言うことはすぐに分かった。
タキシードを汚してしまった事をとにかく早く謝りたかったし、本当に私はなんともなかった。



本当に大丈夫だと何度も伝えてやっと解放されて、会場に戻ると何事も無かったようにブッフェは続けられていて、混乱もなく和やかなひと時となった。


会場に戻ってからすぐに彼を探し始めたけど、肝心の顔が分からない。
大我に助け起こされたあとスタッフが一斉に来たことで顔を確認するのを忘れてしまった。

大我に聞けばわかるかもと思って大我のテーブルに行くと、そこには大我とさつき、黄瀬くん、赤司さんがいた。





「おぉ。怪我ねぇか?」

大我があたしに気づいて声をかけてくれたけど、すごく心配してる顔してて、過保護だなぁって思ったけどそれはいつものこと。



「あたしは全然平気。ねぇ大我、あたしを助けてくれた人見なかった?顔見てなくて……タキシードも汚しちゃって謝りたいんだけど、どの人か分かる??」

「あれ、だいちゃんだよ」

大我からの返事を待つことなくさつきが教えてくれたけど、だいちゃんでは探せない。

「だいちゃん?さつき知ってるの?本名は?」

「うん!ほら、さっき話した幼馴染、大ちゃんっていうのー」

「あ、そうだったんだ。どこにいるか分かる?」

「恐らく式場の責任者と話しているはずだよ」

「あ、そうなんですね。ご親切にありがとうございます」

「俺は赤司征十郎。名前を聞いてもいいかな?」

多分名前を知らない人の方が断然少ないのに丁寧に自己紹介をして、握手の為に手を差し出してくれた。


「黒須みさきです。雑誌などでお見かけしてますのでお名前は存じ上げておりました。お会いできて光栄です。」

挨拶を交わしてみんなで話していると、御開きが近づいているアナウンスと共に、玲子先生が両親に手紙を読むからと着席が促されて、そのだいちゃんとやらにはお礼も謝罪もし損ねてしまったままだった。
/ 1753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp