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最愛 【黒子のバスケ】

第2章 直感


玲子先生が両親への感謝と真太郎と家族となれることへの喜びを読み上げ会場は感動に包まれた。
小さいときはワガママを言ったこと、受験勉強が上手くいかず八つ当たりしてしまった事、それでも夜食を作って勉強を応援してくれて医大に受かったときは誰よりも喜んでくれた事、真太郎との新しい人生を祝福してくれた事

いつもはキリッとしている玲子先生が時折ご両親に目を向けて少し照れながら、涙ぐみながら手紙を読むのをみて涙が溢れた。


ハンカチで目頭を押さえるとウォータープルーフのはずのマスカラが滲んでいて、それでも玲子先生が手紙を読み終えるまで涙を止めることができなかった。


今までも何度か結婚式に出ているけどお世話になった2人の結婚式だから思いも格別で、参加できたことを心から嬉しく思った。

無事お開きを迎えすぐにでも“だいちゃん”を探したかったけどゲストが多くてその場で探すのは諦めて退場してからエントランスで待つことにした。

「もーみさき泣きすぎ」

「だって…すっごい感動したんだもん」

さつきにからかわれながら軽くメイクを直しているけど、うさぎのように真っ赤な目はごまかせなくて、涙袋も少し腫れているのに冷やす時間はない


仕方なくそのままエントランスに戻ると大我が紺の髪の誰かと話してるのが見えた。

「あ!だいちゃん!やっと見つけたーー!!!」


さつきが嬉しそうに声をかける先にいるのは大我…それから大我よりも高い身長で頭だけが見えてる大きい人


思ってたよりも身長が高いことに驚いたけどとにかくお礼と謝罪がしたくて近づくと大我が振り返って泣いてたあたしを見て笑ってる。

「お前泣きすぎ(笑)」

「いいの‼」

泣き過ぎの顔を見られたくなくて下を向いてたのになんでバレてるの…


軽く大我を叩いてだいちゃんにお礼を言う為、顔を上げようとしたとき耳に入った低くて優しい声



「引っ張りすぎて悪かった。怪我しなかったか?」


顔を上げると一瞬時が止まったのかと思うくらいほかの音は何も聞こえない
頭の中で何かがスパークしたような不思議な感覚を覚えた。


「…い、…さき おい!みさき??青峰が大丈夫かってよ」

「あ…うん。大丈夫」

「みさきどっか痛いの?」

言葉が繋げなかったことでさつきを心配させたのか覗き込まれてやっと自分がボケっとしてたことに気付いた。
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