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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


黒須からメッセージに部屋にいるように返してすぐに部屋を出た。

アメリカは慣れっこだから心配はねぇはずだけど、やっぱり一人にはしときたくねぇ



扉が開いていつもよりラフな服装が新鮮で、毛先だけが巻かれて柔らかそうな髪に触りてぇ衝動を必死に我慢した。



服を買うために試着室に入ったものの、出入りするのは服を持った店員だけ。

3回目に店員が出て行ったあと黒須が顔だけ出した


「サイズがないの。待たせちゃってごめんね」

「急がなくていい。決まったら呼べ」

サイズがありゃ男並みに早い黒須でもサイズがねぇならお手上げだろうな

多分俺がここで座ってたら黒須は余計気を遣うだろうから、俺もフロア内を回ることにすると、なんとなく視線が向いた先に見えた深紅のローブデコルテ。



すげぇ似合いそう
見た感じ、サイズも細身な造りだしちょっと直せばいけそうな気がする

過去の経験から分かる

このドレスはグラマーな女に向けて作られてねぇ
けど、黒須なら若干緩い

試着してんなら採寸されたって別に違和感ねぇし、近くにいた係を呼んだ

『今あそこで試着してるやつのサイズに直して14日にハンプトンに送ってくれ』

タキシードが戻ってくんならちょっといいとこで飯食えるだろ?

『承知いたしました。メッセージはお付けしますか?』

『いや、必要ねぇ』

『では、お名前をよろしいでしょうか?』

『青峰だ』

『ご活躍は兼ね兼ね…お名前を印字したカードをお入れさせていただきます』


そりゃどーも


『あぁ』

買物を済ませて戻ると、やっと服が決まったのかぐったりしながら靴を履いてて会計は済んでねぇ感じだったから俺が済ませた。

好きな女と出かけたら基本全部俺が出す

まぁさすがにこんな初心な黒須に下着を買うってのはできねぇけど。

もっと擦れた女なら別にいいけど黒須がそうじゃねぇってことは火神からも聞いてるし反応からも明らかだった。


ディスプレイでどんな感じかチラッと確認して俺好みの店に入らせた。

俺の顔は全く見ず脱兎のごとく店に入った黒須を見て笑っちゃいけねぇって思っても我慢できなかった。

あの反応じゃ買い物中に俺が見えたら逃げ出すから離れたとこで待つか……
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