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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離



ガッチガチの緊張を青峰君がほぐしてくれてあたしが笑うと青峰君も笑ってくれた


「黒須って仕事の時とオフの時の雰囲気が全然違うな」

「そかな?自分ではよくわかんないけど仕事の時はちょっと緊張してるかな」


大きな仕事の前は緊張するし普段の仕事も慣れてはいても緊張感は持ってる。

気を抜いてしまえば仕上がりにも影響することは分かってる


100%クライアントを引き出すのがあたし達メイクの仕事
パットがやれば少なく見積っても150%は引き出せてる。



「BOSSって怖いのか?」

「普段は全然。むしろ優しいんだけど仕事の時はホント怖いの。『ちょっとベイビー』って呼ばれただけで背中に冷汗かくって感じ」

BOSSは努力の天才。

性自認が体と一致していないことで偏見を持たれて、メイクだけが自分を受け入れてくれたって…
今でこそ性同一性障害という言葉があって、それは個性であって他人が否定することではないって風潮が少しづつ広まりつつあるけど、当時はそういったものは全くなくて、むしろ、差別されるのは本人の責任だっていうのが大衆の捉え方だった。

だから、メイクを極めるしか自分にはないって思ってやってきたって前に少しだけ話してくれたけど、本当に極めていて今やメイク業界で知らない人なんて一人もいない程の超重鎮。

だから仕事中のBOSSは怖い
怖いけど威圧じゃない

尊敬してるからこそ感じる怖さ


「ハハハ!なんだその呼び方」

「BOSSはあたしだけをそう呼んでくれてね、男性なんだけど女性なの。だから美しさってもののベクトルがあたしなんかとは全然違って普通に思いもつかないようなテクニックとか色使いとかするの。羨ましくてずっと追いかけてるけど全然追いつけない」

「お前、本当に仕事好きなんだな」



青峰君にそう言われてハッとした。

いつも大我にお前はメイクのことになると本当に話が止まらねぇなって呆れられてたんだった

またやっちゃった…

「ちょっと喋りすぎちゃった」

「んなことねぇよ。お前の事知れてよかった」


あたしは普段はそんなにお喋り上手じゃないけどメイクの事になると本当にうるさい

もう24時間喋れるほどメイクのことを話すと止まらない。


さつきと美緒は美容が仕事で大好きだから話も合うけどそうじゃなかったらきっと呆れられる





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