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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


3曲目に差し掛かって、“I want to be with you anytime”って歌詞がすごく共感できて4曲の中でも一番好きな曲


目を閉じて、この曲みたいに素直に言いたいことを言えたらもっと気持ちが伝わるのかななんて考えながら小さく口ずさんでた



お手入れ終わったらまたベッドに戻ろ…

早く青峰君の腕の中に戻りたい


青峰君のことしか…考えられない


こんなに近くにいて部屋が違うだけなのに、寂しくてたまらない


4曲目はショートカットしてしまおうかと迷う程あたしは青峰君でいっぱいだった


最後は男性アーティスト

プロポーズの歌だけど遠距離だった二人を連想するような曲で、こんな風に思われたらすごく幸せだなって思えるような歌詞だった


いいなー…
好きな人とずっと一緒にいられるって…
ホント羨ましい



あたしと青峰君はお付き合いしたばっかりで結婚とかは全然分からないけど、ずっと一緒にいたいって気持ちは確かにある


この曲が終わったらシートマスクを外してちょっといい美容液を付けてから青峰君のところに戻ろうと思っているとバタンとドアが開いた音の後に青峰君の焦った声が聞こえた


「みさき?!?!?!」


え…?

あたし呼ばれてる…

どうしたんだろ……


「マジかよ……どこ行った……」

ドアを開けようとすると聞こえた青峰君の言葉に、あたしがいなくなったと思ってるんだと分かって慌ててドアを開けた


「ごめんっ‼こっちの部屋にいたのっ」


あたしの声に勢いよく振り返って目が合うと呆れたように大きく息を吐いてカウチにドサッと体を預けた



「………っはぁー……ビビらせんなよ……」

「ごめんなさい……ブラシのお手入れに起きたら、全部パットがしてくれてあったんだけど…あたしの顔が酷くて……」

マスクを外しながら事実という名のいい訳を並べて青峰君に近づくと立ってるあたしの腕をそのまま握ってまた大きくため息を吐かれてしまった

「マジでどっかいなくなったかと思った……黙ってベッドから出るなよ……」


すごく心配させてしまった……
実際あたしは初日に脱走してるし、今日だってあれだけ泣いた後だったからきっとすごく心配してくれてたんだよね…


「ごめんね……」

「許さねぇ…」

「もうしないから……許してっ…なんでも言うこと聞くからっ」
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