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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


青峰君の言葉ににっこりと笑ったエステティシャンの女性

『その日でしたら、夕方からのお時間で4名様同時施術可能でございます。VIPルームも4名様まで一緒に入れますので夜景を楽しんでいただきながらゆったりとおくつろぎいただけますよ』


ズルい……
あたしの夜景好きを知ってるかのような殺し文句であたしの欲を刺激して、4人一緒ならいっかって思ってしまうあたしに追い打ちをかけてる


しかもみんなには今回すっごく助けてもらってばっかりでなんのお礼もしてないからスパでお礼っていうのもいいかもしれない…


みんなの予定は後で確認するとしてとりあえずそのVIPルームを押さえてもらって4人分の予約をお願いした


『人数変更になるようならまたご連絡します』

『承知いたしました』


ニコニコとほほ笑んだままタブレットを操作してあたしたちの予約を入れてくれて、予約者のサインを求められたのにタブレットはあたしじゃなくて青峰君に渡された

青峰君がタブレットにサインを書き入れると画面には予約完了の文字が並んだ


『ご予約ありがとうございます。それでは当日の夕方16時に、スタッフ一同アオミネ様のお越しをお待ち申し上げております』


サインをしたのは青峰君だからそう呼ばれるのは当たり前なのかもしれないけどやっぱり少し照れてしまう


『時間はかかってもいいからとにかくリラックスさせてやってくれ』

『承知いたしました』


終始にこやかなエステティシャンは青峰君の言葉にさらに口角を上げてタブレットに何か入力すると手早く荷物をまとめて立ち上がった


『お時間を頂戴いたしましてありがとうございました』

こっちから呼んで来てもらったのにありがとうなんてとんでもない。

こんなひどい顔でホテル内を歩かなくてよかったのは彼女が来てくれたからで、いろんなフレグランスのいろんな由来を聞けたことで気持ちもすごく落ち着いた

それに…【Mer d'amour】も知ることができた

自分の気持ちを伝えるときうまく言葉にできないことが多いから、いつか訪れるその時にこれを持っていれば記憶力のいい青峰君には伝わるような気がした


『こちらこそありがとうございました』

『おやすみなさいませ』

『おやすみなさい』
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