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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


結局その場でその香りを欲しいと言い出すタイミングは訪れなくて最初から決めていたのだけを今日は置いていってもらうことにした。


「ほんとにこれだけでいいのか?」

「うん。付ける機会少ないから、たくさんあっても酸化しちゃって勿体ない」


青峰君はハンドクリームとかボディバターも好きなのを選べばいいって言ってくれたけど今だってそれなりに数は持ってるから何かが終わったらまたここに来て買うことにした

成分も香りもすごくいいから酸化させてしまうのは勿体ない


「なら、スパ行ってこい。お前肩も背中もガッチガチだからちょっとほぐしてもらえ」

「んー…でも時間ないし…」

「撮影の後でフォーシーズンズ行く前でもいいだろ。ちょっとでもいいからゆっくりする時間作れ」


確かにスケジュールに余裕はないけどホテルの許可してる撮影時間のこともあるから深夜までとか眠る時間もなくって訳じゃない

多分あたしの体がガチガチなのはカレンといて気が張って体がいつもより固まってるせいだからきっと撮影が終わってストレッチでもすればよくなる


「でもそんなに体は疲れてないから…」

「疲れてねぇと思ってんのはお前だけだ。自分のケアは自分しかできねぇだろ?もっと体と自分を大事にしろ」

「…ん…じゃあ……お願いしようかな……」


本音を言えばやっぱりここのトリートメントは受けたい。
いいホテルだから使ってるオイルも一級品で普段使いはできそうにないからご褒美としては最高

だけど今回の自分はご褒美をしていいとはいえなくてスパを受けるつもりはなかった


スパの人を待たせているからあまりもたもたもしていられなくて、少しだけリラックスさせてもらおうとスパの予約をお願いした。

『コースはどうなさいますか?』

『フェイシャルで』

ここのトリートメントはフェイシャルと指定してもデコルテと肩甲骨周りも含まれてるからそれで充分



『では…』

『全身やってくればいいだろ?』

『でも…みんな待たせちゃうし…』

それに全身は結構いいお値段するから、トラブルを起こして現場を混乱させたくせしてそんな贅沢はしちゃいけない気がした


『なら女4人で行ってこい。どうせ予定決まってねぇんだから時間なんか気にしなくていいだろ』

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