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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


中野チーフとの話を終えて部屋に戻ると、すぐに出られるように用意をしてくれていたからその部屋に留まることはせずにペニンシュラに一緒に戻った


パットにもメイク道具を持ってきてくれたお礼がしたかったけど、先にホテルに戻ってしまったから電話を入れてお礼をした


厳しいけど優しい

パットも中野チーフも厳しいときは本当に厳しいけど人の弱さや痛みを抉るようなことはしない

あたしもそういう人になりたい



部屋に戻ると青峰君がすぐにスパに連絡を入れてくれて、いくつか香りがあるからって事ですべて部屋に持ってきて紹介してくれるって言ってくれたからそれに甘えさせてもらった


今日は甘えてばっかり


だけどたくさん甘えさせてもらって心を充電したらきっとまた明日も頑張れる



ほどなくして部屋のチャイムが鳴ってスパの人を迎えるとあたしの目を見てにっこりと笑ってくれた


『昨年もこの時期でしたね。お久しぶりでございます』


覚えててくれてる…
一度だけ行って帰りに香水をプレゼントしてくれた人

おまじないだって言って香水をつけてくれてあの匂いをあたしに教えてくれた人


『お久しぶりです』

『またお会いできて光栄です』

『こちらこそ、とても嬉しいです』


ここはスパも有名でエステティシャンも何人かいるから同じ人に当たるとは思ってなくて、嬉しい偶然に自然と頬が緩んだ



いくつも持ってきてくれた香水やボディバター、ハンドクリーム


どれもいろんな誕生秘話があってすべてホテルのオリジナル

前回の香りはホテルの創設者の男性が奥様を口説き落とすために調香師にオーダーしたもので奥様はOKの返事の代わりにそれを足首に付けたことからあの時あたしの足首にそれをつけてくれたんだって教えてくれた

『だって、スパまでご自身でお連れになる程大切にしてるんですから、なんとも思ってないという事はないかと…』

鈴のような声と優しい微笑みで話してくれる彼女の言葉に青峰君も少し笑ってた

青峰君は最初からどこにでも一緒に行って必ずお迎えも来てくれてたからあたしは全く気付かなかった

恥ずかしいやら嬉しいやらでいろんな香りを紹介してもらいながらも、やっぱりあたしは最初に付けてもらった香りが良くて1番小さい30mlのを選ばせてもらった
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