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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離



「さすがに慣れてるな」

「日本でチップいらない方がびっくりした」


チェックインを済ませて私は26階のスタンダードルームで青峰君は最上階のジュニアスイート
だからルームキーもちょっと違う。

一緒にエレベーターに乗ると青峰君がキーをかざして、それまでは押せなかった最上階のランプが点灯した

「すごーい!」

「後で来るか?」

「え?!…あの、それはっ…」

「冗談だ。少し部屋で休め」


びっくりしてしどろもどろになるあたしに優しく笑って、部屋までわざわざ送り届けてくれた。

「ありがとうござます」

「後でな」

「はい」

流石に色気が皆無と言えど無闇に男の人の部屋に行ったりはしない。
確かにジュニアスイートは見てみたいし、あたしは青峰君の好みに少しも掠ってないから大丈夫だと思うけど、やっぱりそれは…


部屋に入るとすぐに青峰君がメッセージを入れてくれた



(出かける用意できたら連絡しろよ)

(分かりました。ちょっとゆっくりでもいいですか?)

(黒須のタイミングに任せる。敬語じゃなくていい)


あ、そっか…
さっきそう言ってくれたんだった

優しくて落ち着いた青峰君とは正反対のあたしは、ことあるごとにドキドキしてる。

さつきと美緒のグループにサングラスを渡したことのメッセージを入れてからシャワーを浴びると、フライト明けのなんとも言えない不快感が洗い流されて気分がすっきりしたのに…



ふと目に入った悲しいくらいない胸をのせいでまたため息が出た。
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