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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


チャイムの音にドアを開くと自然と頬が緩んでしまう

「用意早いな」

「よく言われます」


用意はそんなにかかる方じゃないとは思うけど…

今日早いのは少しでも長く青峰君と一緒にいたかったから
こんなこと口には出せないけどそれが本心



青峰君のお部屋はあたしのいない間にベッドメイクが済まされて、紅茶のTパックが補充されてるからサービスが入ったみたいだった。


自分の部屋のベッドに座った時、明らかにマットレスの違いを感じたからまた寝っ転がりたいとか思ってたけど、せっかく綺麗にされたベッドを乱すのは忍びなくてリビングのソファに腰かけた


持ってきてたBOSSのメイクブックを見たり、明日の仕事のイメージを頭の中で組み立てたり


メイクは仕事だけど、メイクの事を考えてる時間があたしにとっては一番リラックスできる



半年前に出たBOSSの一番新しいメイクブックは使ってあるコスメのクレジットまで覚えてしまうほど見てるのに、見る度に感動して尊敬して…

飽きなんて全く感じない



使ってあるコスメを見ながら、きっとこれはこうやって乗せたんだろうなとか、どうやったらこんなに綺麗なグラデーションになるのかとか

あたしが追いつけるのはいつになる事やら……



完全に1人の世界に入り込んで、気に入ってるページを何度も何度も見てた











「へぇ…黒須ってこんなん読むんだな(笑)」



今までソファにいると思ってたのにいつの間にかいなくて、少し離れたとこで背を向けて立ってる青峰君の声が聞こえた




「え?」






何の事か分からずにいるあたしに振り返った青峰君がみせてきたのは…













あの雑誌








ヤバい…

早く会いたかったせいでバッグから出すのを忘れてた










「それダメッ!」
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