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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


青峰さんはすごくクールに見えるけど話すとすごく話しやすくて、声とか優しいしよく笑ってくれるから自然と緊張がほぐれる。

勿論好きだからドキドキするけど怖さや嫌な緊張感はない。
でもタメ口で話すなんて、なんかすっごく馴れ馴れしい気がしてしまう。



「堅苦しいの苦手なんだよ」

「……あ、はい…えっと…じゃあ…青峰…くん…でいいですか?」

顔から火がでそう…
すっごく馴れ馴れしい‼


自分で言ったけどすっごく恥ずかしい…
男の人を君付けで呼ぶってほんとになかなかない。


多分、黄瀬くんと黒子くんだけ。
クライアントは全員一律で苗字にさん付けだから、自分で呼んでおいて凄くソワソワしてしまう。



「じゃ、今はそれでいいわ」

ホントよく笑う

青峰君が笑うとあたしも楽しくて、二人っきりの車内なのに怖いって全く感じなかった。


あたしは男の人と二人ってシチュエーションは苦手で、仕事以外でそうなることはなかった。
迎えに来てもらえばどこかで2人きりにはなっただろうけど、それすらも最初から少しも怖さを感じてなくて、会えるのが楽しみだってことだけだった。

多分ほかの人だったらこんな風に思えなかった。





ハンプトンとJFKは近いけどNYは道がすごく混む。

空いてれば5分とかからない道のりを30分近くかかってホテルに到着した。



すぐさま出てきたベルボーイが荷物をカートに乗せてくれたけど、青峰君とあたしのを同じカートに乗せてる。

一緒に来れば一緒に泊まると思うのが普通だから言わなかったあたしが悪い。

『ごめんなさい。部屋別なの』

『失礼いたしました。お名前をお願いいたします』

『黒須みさきです』


名前を伝えるとインカムで確認してくれて、別のカートに乗せてくれようとしたけど、ロスバゲで荷物は少ないから運んでもらうほどの事でもない

『私は自分で持つからカートはいらないわ』

『かしこまりました』

この残念そうな顔はチップがもらえなかったことに対するがっかり顔。

『でも降ろしてくれてありがとう』

運んでもらうよりは少し少ないけどチップを渡すと嬉しそうにしてる。
ゲンキンで分かりやすい。

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