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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


カサカサと包みをあける音だけがやけに響く

気に入ってもらえなかったらどうしよう…
迷惑だったかな…


青峰さんの反応を知るのが怖くて、意味もなく腕時計をいじくりまわして下を向いていたけど、聞こえてきた声にすごくホッとした。




「以心伝心っつーの?すげぇ嬉しい。使わせてもらう」

包装を丁寧にショップバッグに戻してサングラスを掛けてくれた。





似合う。
すっごくかっこいい。

真っ黒なデザインだから、目は見えなくなっちゃったけど、口元が笑ってる。

「ありがとな」

こっちに体を向けてお礼を言ってくれて、また頭をそっと撫でてくれた。







ドックフードにしなくて良かった。



かっこよすぎて目を逸らしたくなることなんてあるんだ…

恥ずかしすぎて顔を見られたくなくて、あたしもサングラスをかけたけど小さめのにしちゃったから全然顔は隠せてない。
もっと大きいの持ってくればよかった。


「顔ちっせぇな」

「どちらかと言えば小柄な方なので……多分そのせいです」


小さいって自覚はあるけど自分で小さいとは言いたくなくて、小柄な方っていうのはあたしのちっぽけなプライド。

“痩せてていいね”と“小さくて可愛い”はあたしにとって全く嬉しくない言葉

「青峰さんくらい大きくなりたかったです」

「ははは!それはデカすぎだろ!火神より背高けぇからな」

さすがに青峰さんくらいは盛りすぎだったけど、美緒くらいはほしかった。

「あと20センチでいいから伸びて欲しいっていっつも思ってます」

「結構欲張るな!」

青峰さんずっと笑ってるからあたしまで何故か笑えてきた。

「なんで黒須が笑ってんだよ」

「だって……青峰さんが笑うからつられちゃうの!」


しまった…
話しやすくてついタメ口になっちゃった。






「……すみません」

「敬語じゃなくていいし、青峰さんじゃなくていい」

「え……」





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