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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


話しているうちに日が昇り始めて、夜景は撮れなかったけど日の出は写真に撮れた。


「今日の予定は?」

「今日まではお休みで明日からコレクションのモデルさんたちとプレメイクが始まる」

「出かけるか?」

「ゆっくりしたいかな」


きっと出かけても集中できないし、体を休めて仕事に万全の状態で入りたい


「なら必要なもの持ってこっち来いよ。4時までは部屋使えるから」

「え、いいの?あたし邪魔じゃない?」

「邪魔じゃねぇよ」


青峰君は一人が好きなのかなって勝手に思ってたけど、そうでもないのかもしれない。


お言葉に甘えて一緒に過ごせる時間を大切にしよ



「じゃあ一回戻るね」


ガウンからさっきのワンピースにもう一度着替えて部屋を出ようとすると青峰君まで立ち上がって結局あたしの部屋まで送ってくれた


「用意できたら連絡しろよ」

「うん。お手数おかけします」



自分の部屋の居心地が悪い訳じゃない


だけどあたしは青峰君といる空間の方が好きだった

部屋のグレードの話じゃなくて誰といるかでこんなにも違うなんて知らなかった


ゆっくり入るつもりだったシャワーも体を綺麗にするだけで早々に切り上げた


昨日買った新しい下着にあの香水を吹いて

きっとあたしはこの香りを身に着けるたびに青峰君の事を考える

好きな人といるんだから綺麗に思われたいっていう気持ちはあるけど髪はドライヤーでストレートにするだけ。


リラックスするって決めた日は髪も休憩させる


軽い休日用のメイクをしながらさっきスッピンをさらしたことを思いだしてしまった


不可抗力ではあるかもしれないけどいきなりスッピンをさらすことになるなんて…

でもそんなことはもはや問題じゃない
勝手に泊まって意味もなく警戒して、矛盾だらけのあたしの行動の方がよっぽど問題


あれ程の醜態を晒したのに青峰君の優しさは相変わらずで、早く青峰君のところに戻りたくて荷物をまとめた


(用意できました)

(今から行く)


降りるときは一人でも降りられるけどスイートに行くならカードキーが必要で迎えに来てもらわなきゃ部屋のあるフロアに上がれない。

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