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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


side青峰

部屋を出る時間を少し過ぎてからさつきだけがバスルームから出てきて俺はここに残れってあいつらと出て行った


みさきの具合が悪くなっちまったのかと思って声をかけようとカウチから立ち上がると明らかに泣いた後の顔のみさきがアレを持ってバスルームから出てきた



「あお…みねくん………これ……」


おいおい……

なんでそれ持ってんだよ……




「これ……誰の……?」



言い切る前に涙声になってデカい目からデカい涙が流れ落ちた


まさか…これで泣いてたのか⁉


やっべー……完全にやらかした……
後でキャリーに入れようと思ってたのを完全に忘れてた

みさきがバスルームを使うなんて分かり切ってたんだからあんなとこに置かなきゃよかった



あー……

また泣かせちまった……

ホント……何やってんだ俺…















恥さらすだけならまだしも泣かせねぇためにしたのに結局泣かせちまった………



もう腹くくって正直に言うしかねぇな…
















「それは………………俺のだ」



言った


言ってやった


最低の気分だ


自分のバカさ加減と呼び出してきたあのバカ女
どっちにも同じぐれぇ腹が立つ


充血したデカい目をきょろきょろさせたり眉間にしわを入れたりしてたみさきが間をおいてためらいがちに口を開いた















『あの………ちょっと………意味……分からない……説明…して……』





完全に理解不能って顔したみさきが独り言をつぶやくように小さく英語で絞り出した言葉は驚愕と疑念がはっきりと伝わるほど困惑してた



まぁそうだよな…
これですんなりそうですかなんて言われた方がビビる


俺にその趣味はねぇし欲しくて買ったわけでもねぇんだから意味が分からねぇって言ってくれてどっかほっとしてる自分もいた


それにこんなもんが俺のだってみさきが信じてくれねぇ可能性だってあった

そうなりゃ説明すらできなかった


みさきの信じるって言葉は口先だけじゃなくて、こんな100%黒だと思われてもしょうがねぇ状況でも俺の話をちゃんと聞こうとしてくれてる


だから俺はこいつにだけはどんな小さな嘘もついちゃいけねぇ
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