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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


「みさき遅くない?」

「確かに。でもブラシも手入れしてるんでしょ?」


みさきはたまに大ボケであたしたちとの予定を忘れてることはあっても、それ以外は時間厳守で、出かける15分前にはいつも用意できてる。

それなのに、今日は30分以上経ってもバスルームから出てこなくて、あと15分くらいで部屋を出る時間


「でもきーちゃんのメイクしてないからカレンだけでしょ?一人分ならこんなにかからなくない?」

「確かに…」

「大ちゃんみさきになんか変なことしてないでしょうね?」

「してねぇに決まってんだろ」

『けど、マジ遅せぇな。服キツくて着れねぇとか?』

『それはないわよ。大きくて落ちちゃうとかかしら…』


あたしたちもみさきがこんなに遅かったことはなくて、全然物音がしないし心配で声をかけようか迷ってた時に、みさきのスマホのアラームが鳴り出した


あたしが一番近かったからアラームを止めたけど画面に表示されてたのは“ぴるのじかん”ってひらがな

多少ズレてもいいけど決まった時間に飲むって言ってたからこれのことも含めて声をかけることにした。




物音がほとんどしなくて本当にいるのか疑いたくなるバスルームの扉をノックして、アラームが鳴ったことを伝えた。


「……っうん…っ…もう出る…っちょっと…待ってて」




遠くじゃわからないけど近くで聞くと分かる
みさきが泣いてる


泣いたとこを見られるのを嫌って、よく隠れて泣いてたから声を聞けばすぐ分かる

みさきが泣いてるのを隠すときは、いつも悲しいことがあって泣いてるときだったから、きっと出てこれなかったのは何か悲しいことがあったせい



カレンに何か言われたか、大ちゃんと何かあったかのどっちか

大ちゃんを怒りたいのは山々だけど今はみさきが優先


「持ってきたから開けられる?」

「あ…ごめっ…ね…っ開ける……」




鍵が開いて隙間から手だけ出したみさきの小さいしゃっくり
泣いてるのを必死に隠してる



「あの…ハンナに運転頼める…かな?」

「うん。でもあたしちょっと手洗いたいから入っていい?」


泣いてる事には触れずに話して、あたしが入れるだけ扉を引いてくれたところにすぐに体を入り込ませた。



一切あたしに顔を見せないで後ろを向いたままのみさき


ホント嘘つけないんだから
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