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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


しばらくぎゅってしてもらってると、青峰君が大きくため息を吐き出した。

「…何も聞かねぇの?」

「話さなきゃいけないようなことしたの?」


何をしたのか気にならなかった訳じゃない。
だけど後ろめたいことがなかったのなら、話したくないことを無理矢理話さなくてもいい。

今はあたしを好きで、あたしと一緒にいてくれてるって事だけでいい

「……してねぇ」

思い出したくもないことは話したくもない

だけど一人で抱えられなくなった時、聞いてほしいと思った時、吐き出す相手はあたしであって欲しい




強く抱きしめてくれる腕と熱い吐息にずっとこのまま抱きしめててほしくなる。


でも、予定があるって分かってるから、離れがたいのをこらえて少し胸を押して、青峰君を見上げると優しく笑ってふわりと唇が重なった。


優しく重なってそっとなぞられると、自然と唇が開いてもっと欲しくなる。


スルリと入り込んだ温かさに言いようのない幸せが溢れて、少し絡ませると大きくて暖かい手があたしの頬に触れた。






大好きだよ


青峰君も同じだって思ってもいい?

あたしのこと大好きでいてくれてるって思っていい?




_____________離れないで


自分の思いが伝わって欲しいと願いながら、離れられなくて、何度も何度も角度が変わってその度に深くなっていく。

優しいのに深くて

いつもよりもずっとずっと長いキスなのに、息苦しさなんて少しもない

気持ちいい
あたしはキスが好き
青峰君がしてくれる優しくてあったかいこのキスが世界で一番好き




崩れそうになる程力が抜けていくあたしを支えてくれる腕と体に完全に自分を預けて、キスに溺れた。


離れるのを惜しむように優しく下唇を甘噛みされて
唇が遠ざかると、青峰君の親指があたしの唇をなぞって、おでこと鼻だけが触れてる。


青峰君の鼻に自分の鼻をツンツンってしてもう一回してのおねだり。



「ほんと、キス好きだな」

小さく響く色っぽい声に、そんなことないなんて可愛くない言葉は出せなかった。


「ん…大好き」


そっと重なって離れて


「俺もすげー好き」


それってキス?
それとも、あたし?


あたしは欲張りだから…どっちかじゃだめ

独占欲の塊だから…あたしと、あたしとのキスだけが好きだって言ってくれなきゃ嫌なの
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