第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ
「みさき!お帰り」
「ただいまー」
ホテルに戻るとロビーでさつきたちが待っててくれた。
部屋にいるみたいにはしゃいだりはできないけど、みんなが笑顔でお出迎えしてくれるとすごく心が休まる。
「ねぇ、みさき運転できる?」
「え、もちろん」
「ドライブ行こ‼」
これって以心伝心かな?
さっきドライブしたいって思ってたけど美緒たちもそう思ってくれてるならあたしもドライブしたい
「行きたいね。車リザーブできるかな?」
「今ハンナが聞いてくれてる」
コンシェルジュデスクにいるハンナに目を向けると、指でOKを作ってくれたからあたしもそっちに行くと何種類かの中から車を選ばせてくれた。
『ワーゲンかBMなら慣れてるからどっちかならOKだよ』
『広いのはBMだっていうからBMにしない?』
『そうね』
選んだのは白いBMの、オープンカーにもなる日本にあるものよりは長めの車。
日本で走ってたらすごく目立つかもしれないけど、こっちなら目立ち過ぎないしいつもよりも高級な車でテンションも上がる。
友達同士で行くリッチな旅のドライブには最適の車で、今日の気温なら絶対に気持ちいい。
1時間後に出発できるように車を予約した。
『いいものがあるから一回部屋に戻りましょ』
『いい物って?』
『部屋に戻ってからのお楽しみ』
ハンナと一緒にみんなのところに戻ると、青峰君たちもドライブに行くって言ってさっきの車をそのまま借りることにしたみたいだった。
黄瀬君と黒子君はこっちで運転できないから今度は運転は大我がするらしく、見るからに嬉しそう。
ホント、高校生の時と変わってない。
大我が高校でアメリカに戻ってきた後、高校は違ったけど、大我はよく送り迎えをしてくれた。
それに、気分転換って夜ドライブに出かけることも多かったけど、大我は運転が好きって言って、ずっと運転してくれた。
『後でみさきの部屋に届けるわ』
『うん』
全員で部屋のあるフロアに戻って部屋に入ると、青峰君がお帰りのハグとキスをしてくれた。
「おかえり」
「ただいま」
なんか、すごくいい匂いがする。
ボディソープ?
でもいつも使ってるのとは違う
カレンさんと何もなかったんだよね…?
信じていいんだよね?