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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


「勘」

「勘で言うな!」


俺の直感は外れねぇ。

来年の開幕地のことがちらっと耳に入った時、行かなきゃいけねぇんだって直感した。

みさきは日本とこっちと仕事は半々くれぇだけど、繁忙期の10月以降に休みを取ってこっちに来るのは無理がある。


クリスマスやら年明けの撮影やらで黄瀬とみさきは年明けまでほぼ休みなし。
去年黄瀬は年末年始休暇と引き換えに来てくれたらしかった。


親にもあいつらにも感謝してっけど、そういうのを言葉にすんのは得意じゃねぇし、言葉よりプレーしてるとこを見てもらうってのが一番いい気がした。


今年ファイナルに残れれば日本行は確定する。

「レイカーズ来るなら絶対行きたいなー。お休み取るし、最速予約の抽選も応募するし、テレビ局とネットプロバイダのも全部応募して絶対チケット入手して絶対行く!」


目がキラキラしたみさきがルームミラーに写って、まだ俺らが日本でやるって決まった訳じゃねぇのに、すげぇ楽しそうにしてくれるのを見て、俺の中で来年のウチの開幕戦は日本でやることが確定した。


来年の開幕戦は絶対ぇ日本

だけどチケットは別に入手しなくていい




「「関係者席あっから…」」

俺も火神も笑っちまったけど、多分みさきはそういうのをズルいことだって思ってる気がした。

けど俺が一番見に来て欲しいのはお前だ。

お前の15をもらって、離れててもちゃんとやれてるって証明してぇ
だから俺は他の誰でもなくみさきに見に来て欲しい

俺のバスケをする一番の理由。

バスケをしてる俺をかっこいいって思ってくれんならもっと強くなる。
俺はみさきの為にバスケをやっていく。


「えー、でもそれズルくない?」

「ズルくねぇよ。オフィシャルシートもらえるくせして一般応募したら見にこれる一般席が減るだろ。オフィシャルもらえるやつはそれもらっときゃいいんだよ」

「えー?そういうものなの?」

「そういうもんだ。お前の席は俺が用意すっから他の席は空けといてやれ」

「うん!じゃあ楽しみにしてます‼」


嬉しそうなみさきを見ると、もう俺らが日本に行くことが確定してるような気がした。


今年、チームとして結果を残して、来年の開幕でいいカードを取れれば確実に日本に行かれる。

来シーズンの勝負はもう始まってる

日本行きの切符は8枚
俺は必ずそれを手に入れる。
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