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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


黄瀬君の撮影を予定通りに終えて、先に黄瀬君たちが帰ってから伊藤さんと明日の打ち合わせをして、あたしたちも仕事を切り上げた。

「お疲れさまでした」

「また明日ね‼」


伊藤さんがタクシーに乗るのを見送って、あたしもタクシーを捕まえようと思ったところで、通りの向こうに停まってた信じられない超高級車から大我が降りてきた。



「何やってんの⁉」

「青峰がうっせーから迎えきたんだよ」

「青峰君は?」

「乗ってる」


大我がわざわざ降りてきてくれたのにあたしが聞くのは青峰君の事。

人の多いNYでも大我はものすごく目立ってるから、人だかりができる前にいそいそと車に乗り込んだ。

「おかえり」

「あの…お迎えありがとう。ただいま」

後ろに乗り込んだあたしに青峰君が振り返って、いつもみたいに優しく笑ってくれた

運転席に座ってるだけなのに、何でこんなにかっこいいんだろ
なんか鼻血が出そうな気がする…


「つか、なんでおめーが助手席なんだよ。空気読んで後ろ乗れよ」

「後ろじゃ脚がつっかえちまうんだよ‼」


何それ…
あたしが短足だって言いたい訳?



てか、何この高級車…
ヒルトン一族なの?


後ろの席がもはや書斎レベルに広い
あたしの身長なら普通に寝れる


「あの、それより、この車どしたの?」

「ホテルのレンタカー。青峰が運転してみてぇとか言ってこれになった。ごちゃごちゃしてんだからもっと小回りきくのにしろっつってんのに…ミーハーかよ」

「はぁ?お前だって運転したがってたくせによく言うぜ。オープンカーになるとか言ってガキみてぇに喜んでたじゃねぇか」



なんかこの二人って、高校生みたい…

大我はたまに子供っぽいなって思うことはあるけど、青峰君をそう思ったのは初めてだった。


でもなんかちょっと可愛い。


「シートベルト締めたか?」

「うん」

「ぶつけんなよ」

「さつきじゃねぇんだからそんなことするか」



安全確認をしてギアがドライブに入ると、ゆっくりと車が走り出した。
窓を開けると、秋にしては高い気温で、オープンカーにしたらすごく気持ちいいだろうなって思ってなんとなくドライブに行きたくなった。
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