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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


気流の関係もあるのか、思ったよりも少し早く空港に着いて、自分の荷物が出てくるのを待つ間に青峰さんに連絡を入れた。

(着きました)

(もういる)

なるべく待たせたくなくて自分の荷物を今か今かと待ってるのにちっとも出てこない。

1個2個と消えていくキャリー。



なんか……嫌な予感……


しょっちゅう行き来があるから航空会社の会員になっていて、ファーストクラスの次には吐き出されるはずの自分のキャリーが出てこないまま、同じ便の恐らくエコノミー席の乗客が次々とキャリーを手にしていく。





全ての荷物がコンベアから無くなって、その場に残ったのはあたしだけ。

最悪…
なんで今日に限ってこうなるのか…




『ロスバケの手続きをお願い』

『かしこまりました。荷物のタグを見せていただけますか?』


預けた時のタグを提示して調べてもらうと、現在は行方が特定できず探す事になると言われた。

だけどあたしは直行便で来てるから他国への乗せ間違いでなければ荷物は日本に取り残されてる。

『仕事の都合もあるし、預かり物も入ってるの。とにかくしっかり探して見つかり次第すぐに連絡をお願い』

日本ではこんな事を言わなくてもしっかり対応してくれるけど、こっちでは念押しして、さらにしつこく確認をしないと長期間放置されることも珍しくない。
日本の航空会社だからそこまで酷い対応にはならないとは思うけど、放置されるのは困る。

カウンターでロストバゲージの申請手続きをしてから入国ゲートをくぐると、壁にもたれてスマホを見てる青峰さんがいた。

やばい
めちゃくちゃ待たせちゃった。


少し小走りで近づくと、顔を上げてあたしに気づいてくれた。

「お疲れ」

「ごめんなさい。お待たせしちゃいましたよね…」

「いや、大丈夫だけど、……荷物少なくね?」

「ロスバゲで…今行方不明なんです」



タキシードも入ってるのに……
何度も飛行機に乗ってるけどロスバゲなんて初めて。
ほんっと、何度も思ったけどタイミングが悪すぎる。
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