第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ
自分が言い出したことだったけど、普段布越しの場所が直接触れんのは結構クる。
すげぇすべすべで柔らかくて、腰がめちゃくちゃ細い
何度も触ってるから分かってるはずなのに、あまりの華奢さに強く抱きしめたら折れちまいそうな気がした。
俺は聞き分けがいいときのみさきもすげぇ好きだけど、本心を言ってくれる方がいい。
ちゃんと心を開いてくれてんだって感じられる。
一緒にいられる時間は限られてんだから我慢なんてしなくていい。
俺の面倒事に巻き込んじまってるんだから今は尚更。
肌に触れたかったのは俺だけど、みさきもちゃんと抱きしめ返してくれて、体が隙間なく重なると、布を隔てないだけでいつもよりもずっとしっくり嵌ってる感じがした。
肌を合わせてるだけなのに、なんかすげー気持ちいい。
それに、乱れたガウンに火照ったみさきの肌がすげぇ色っぽくて、抱かねぇって決めてても体は反応する
風呂上がりだったけど、みさきの背中をやるなら薄手のよりもデニムにした方がいいと思ってそうしたのは正解だった。
シルクのガウンがずり落ちてて、むき出しになった細い肩にキスをして痕を残すと、さっきよりも力が抜けたみさきがためらいがちに俺の腰に腕を回した。
俺を受け入れてくれる行動の一つ一つがすげぇ嬉しい。
「お前のおかげで今日は地獄の1時間も頑張れそうだ」
「……あたしも、ちゃんとお仕事行く」
行かせたくねぇのは俺の方だ。
あの女さえいなきゃあと2時間は一緒にいられた。
そろそろ用意し始めねぇとみさきが遅刻になっちまうから、はだけたガウンを戻してヒモを結びなおした。
「…わがままで、ごめ…」
「わがままじゃねぇ。お前は謝らなくていい」
わがままどころかめちゃくちゃ嬉しかった。
何もないって分かったうえで、それでも行かせたくねえって思ってくれたことがすげぇ嬉しかった。
元カノのとこにすんなり送り出されたら逆にさみしーだろ
一緒にベッドから起き上がって、みさきが着替えるためにベッドルームを出て俺も着替えを済ませた。
スマホを見るとパットからのメッセージが入ってる
(白と黒と赤どれがいいかしら?)
どれも嫌に決まってんだろ
けどやるしかねぇ…
(赤は無理だ)
(白にしましょ)
テツ……
やっぱお前にもいつか仕返しすっから覚えとけよ……