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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


「……さき……き……みさき。おい、みさき」

ゆらゆら肩を揺らされて呼ばれてる
でも起きたくない

仕事、行きたくない。


「おい!みさき‼起きろって」


強めに呼ばれて、仕方なく目を開けて青峰君に振り返ると、ぎゅっと優しく抱きしめてくれた。

朝はちゃんと起きたしシャワーも浴びた
でも背中のお手入れをしてもらってる手があったかくて気持ちよくて、ついウトウトしてベッドに座ったまま寝てた。

だから眠りは浅かったけど、起きたくなくて聞こえないふりをしてた


「行っちゃヤダ。カレンのとこ行かないで…」

「お前だって行くんだろ?お前がしたメイクを見に行くだけだ」

「やだ…行かないで」


時間があるからってわがまま言って困らせて、本当に面倒なあたしにも、青峰君は全然怒らない。

怒られればあたしだってちゃんとお仕事に行くけど、甘やかされてると腕の中にいたくなる。


いつの間にか戻してくれてたガウン越しに感じる青峰君の素肌の体温。
珍しく上半身裸の青峰君は、彫刻のように鍛えられた体であたしを包んでくれた。



「どうした?今日は聞き分け悪りぃな」

「だってやだっ。何にもしなくてもやだ」

「俺も行きたくねぇけど、ここでバックレたら後々面倒だろ?」


あたしが言い出したことで犠牲になってるのは青峰君なのに、あたしは我儘を言って、子供みたいに聞き分けなくヤダを繰り返してる。

それでも青峰君は怒らない

「………」

正論を言われて、黙りこくってお腹に回された腕をぎゅっと掴むと、そのままベッドに倒れるように二人で寝転がった。


「みさき、こっち向け」

そう言われても、今自分がどんな顔をしてるか分かるから素直に聞けなくて、動かずにいると、ぐるりとあたしの向きを変えていつもみたいに向き合ってぎゅっとしてくれた。


「どうして欲しい?」

「…ぎゅってして欲しい…」

もうすでに抱きしめてもらってるにも関わらず、あたしはもっとぎゅっとしてほしくて、このまま本当に溶けてしまいたかった。


体に回された腕にさっきよりも力が込められて、おでこにキスをして、大きな手がゆっくりと頭を撫でてくれた

だからあたしもきつく抱き着いて、完全に隙間なく密着すると低くて優しい声が鼓膜を揺らした。


























「…これ……解いていいか?」
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