第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ
「あーーー…会いてー。あっちいつ終わんだよ。そろそろ俺はみさきと寝てぇから帰ってきてくんねぇかなー」
だから、この人…誰?
デカいソファにモデルよりもバランスのとれた体を寝そべらせて、でかく伸びて彼女への愛を口から漏らすこの男。
俺はみさきっちを色気があるなんて思ったこと1回もないけど、青峰っちはみさきっちじゃなきゃ勃たないらしい。
「青峰っち腹出てる」
「はぁ⁉メタボって言いてぇのか⁉」
「違うっスよ‼シャツがめくれてるって事」
「んだよ。ビビらせんな」
あんたがメタボなら世の中メタボ率100%だろ。
そんなバッキバキの腹でどうしたらそんな勘違いができるのか
色気ならみさきっちより青峰っちのがある……気がする
「やっぱ同じウエイト俺も欲しい」
「売ってねぇ」
「じゃあ貸して欲しいっス」
「絶対ぇ無理。指一本でも触れたらマジで殺す」
さっきカレンがみさきっちを攻撃し始めたことで中断した会話を腹チラで思い出した。
殺すって…ウエイト触って殺されるなら絶対触らない。
「怖い‼」
「ハハハ!諦めろ。青峰はみさきをウエイトにして体作ってんだよ。貸してくれる訳ねぇだろ?」
「は⁉マジっスか⁉」
「だからそうだっつってんだろ」
いや、言ってない。確実に言ってない。
脳内みさきっちの事でいっぱいで言ったと勘違いしてるだけっスね
てか、人間ウエイトにするってこの人何者?
でも確かに売ってないし触ったらホントに殺される。
「俺も美緒とできるっスか?」
「いや、無理だな。みさきと青峰の体格差じゃねぇとできねぇ。体重が自分の半分以下だし身長も40㎝以上違げぇから乗ってても邪魔にならねぇんだよ」
「小柄で華奢で最高」
俺が知ってた青峰っちの好みは小柄でも華奢でもなくどっちかといえばグラマーなモデルタイプ
カレンでも細いなって感じるけどあれは絶対おっぱいと顔
青峰っちは巨乳が絶対条件みたいな感じだった
でも、なんか、表情とか仕草とか雰囲気とか、みさきっちを好きになってからのこの人の方がいい
今まで隠れてた愛情とか優しさが目に見えやすくなって、ふとした瞬間に見せる優しげな顔がすっげぇかっこいい
まぁ、きっとそれはみさきっちを思い浮かべてるときだと思うけど。
「俺戻るわ」
あ、またあの優しい顔してる
「どしたんスか?」