第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ
あのスープは美緒も気に入ったらしく、明日も食べたいねって二人で言ってたけど、ハンナとさつきは絶対に食べたくないって意見が変わらなかった。
まぁ好き嫌いは誰にでもあるもんね。あたしもグリンピースはどうしたって食べたくないし。
そしてあたしたち4人のグループには今日の画像と動画が全部保存された。
みんなのおかげで本当にストレスが吹き飛んだ。
爆発させたし勝負でギャーギャー盛り上がったし、罰ゲームはおいしかったし、ホント最高の夜だった。
みんなは、あたしがクッションでパンチバッグを叩きまくってる動画と、罰ゲーム動画が相当面白いらしくて、ずっと見てるしずっと笑ってる。
「もー!何がそんなにおかしいの?」
「みさきご乱心」
「ゴランシン?」
「心が乱れてるの。大好きな大好きな大ちゃんをつけ狙うカレンのせいでみさきは心が乱れてるの」
『カレンがダイキを引きずってるって言うのはこっちの業界では有名だったから。でも、顔合わせの時は本当に驚いた。カレンって自分から男をハントしないって公言してたけど、ダイキの事だけは最初から自分で行ったらしいのよね。だから多分あっちも本気』
そうだったんだ…
カレンはオハイオ中心に活動してたモデルだから、あたしは仕事では一緒になることはなかったし存在すら知らなかった。
青峰君がゴシップに載ってることは知らない訳じゃなかったけど、その時は興味もなかったし、そもそもあたしはゴシップは見ない。
アテにならないし、クライアントになる可能性のある人に変な先入観は持ちたくないから、ゴシップはテレビも雑誌も敢えて見ないようにしてた。
だから青峰君に彼女がいたことは知ってても、誰と付き合ってたとか、どれくらいの期間付き合ってたってことは一切知らない。
『でもあたしも譲れない。あたしは、青峰君以外は無理なの』
『そうでしょうね。じゃなきゃあんなこと言われてまで付き合っていようなんて思えないわ。それにダイキもミサキしか見てないわ。…ダイキがこの間受けたインタビュー記事見る?』
『いいの?』
『もちろんよ。もうこっちではネットに出てるから。メッセージでリンク送るわね』