第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ

「さつきがすげぇ本格的な格好してたけど女たち何やってんだよ」

「罰ゲーム付きのパンチバックです。もちろん黒須さんが手を怪我しないようにグローブも用意しました」

「ありがとな。つか罰ゲームってなんだよ」

「中華の珍味ッス」

「珍味？」

「牛、豚、羊のアレっスよ」

「はぁ⁉⁉マジかよ⁉」

「しかも食ってるとこを動画に撮って彼氏に見せる特典付き」

「そんな罰ゲーム考えたの誰だよ!?」

「黄瀬に決まってんだろ」

「それテメーが見てぇだけだろ‼」

「いやっ…俺だって嫌っスよ‼だけど美緒は食べてみたいって言うから…でも俺の前ではさすがにヤダらしくて、昨日は食べなかったけど…だからみんなが嫌がることっていうので食べて撮るになったんス」

「進藤ならしょっちゅう同じようなもの食ってんだろ⁉しかもお前はそれ見てんだから別にどうって事ねぇじゃねえか！」

「いやっ…しょっちゅうは…まぁたまに…」

「黄瀬君黙ってください。顔キモイです」

「ひどいっス‼黒子っちだってももっちにしてもらうくせに」

「たまにです」

「テツやめろ。幼馴染だからよ、そういうの聞きたくねぇわ」

「あっ…すみません。僕何も言ってないです」

「火神っちは平気なんスか？」

「はぁ？そりゃされてるときは結構ヤベぇけど、あれ…すげー嬉しくね？」

「嬉しいっス…って、そっちじゃない‼」

「は⁉じゃあなんだよ？」

「珍味を食すことについてどう思うかという質問です。何勘違いしてるんですか？」

「バ火神。何いきなり感想言ってんだよ」

「……っ!!だったら最初からそう言えよ‼勘違いすんだろ‼」

「しねーよ。頭ん中どうなってんだド変態」

「うっせぇ‼‼……フッ…まぁ俺は全く心配してねぇけどな。ハンナはキックボクシングやってたからドベはありえねぇな。俺の予想ドベはみさき」

「ふざけんな‼‼動物に先越されるのなんて明日のより屈辱だろ‼人間のオスとしてそれだけは許せねぇ」

「でも青峰君はカレンさんとキスしたじゃないですか。カレンさんは人間のメスですから黒須さんの方が屈辱を味わってます」

「……それは……言うなよ……」

「青峰ダッセ。みさきのことになると全然反論できねーじゃん」

「クソっ…さつきがドベになれ」

「ダメです。黒須さんは珍味好きらしいので青峰君が屈辱を味わえばいいんです」