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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「ラテックス製品全般…」

「なんだそれ?」

「ゴムって言うと分かりやすいかな?でも輪ゴムとかだけじゃなくて、風船とか…ラテックスが含まれてるものは全部」

「果物じゃねーの?」

「果物はまだアレルギーになるかどうか未確定だから避けてるって感じで、ラテックスと果物のタンパク質構造が似てていつアレルギー起こすか分からないの。でも加熱されると果物のタンパク質が変化して全くアレルギーは起きないの」


知られたのならもう隠しても意味はないし話してるうちに冷静になれた

アレルギーを知られたからってあの事を知られるわけじゃない

「…それ痛いのか?」

「結構痛かった…かな。服の上から素人が刺せるように針も太いし、筋肉注射だから痛いかな」


これは意識があるときに刺すと結構痛い。

ゴムに触っちゃったって思ったら即打つように言われてるから自分で打ったこともあるけど痛い

「いつも持ってんの?」

「うん。ゴム製品って知らずにゴムに触れたら危ないからって3歳の時からずっと。だから風船とかちょっと苦手で、見ただけで鳥肌でちゃう」

結婚式のメイクで呼ばれて一番苦手なのがここ

電報についてきた風船や会場装飾の風船があたしには恐怖
絶対触らないように注意してるけどバルーンリリースがあるときは式場の人に伝えて申し訳ないけど退散させてもらっている


「大変なんだな」

「もう慣れっこ(笑)」


確かに厄介なアレルギーだけどもう23年もお付き合いしてるから自分の一部として受け入れてる




青峰君はそれ以上何か聞いてくることはなかった


「写真撮るんだろ?」

「うん!」


あたしが話題を逸らす前に青峰君が違う話題に切り替えてくれたのに…


もう最悪


スマホの充電が完全に切れててうんともすんとも言わない


せっかくの景色なのにキャリーがないってほんとに不便

「充電切れちゃってた。フロントで借りるから部屋戻るね」

「どこのだ?」

「スマホ?りんごの」

「俺の使うか?」

「借りてもいいの?」

「あぁ」



最悪だと思ったけど、逆だったのかも。

たまたま同じのだったお陰でもう少し一緒にいる口実ができてあたしは内心嬉しいって感じてた


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